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side ルフィ_
「なんでさらに泣くの〜?」
もー。
なんていいながら、頭を撫でてくれる。
………なんか、力が抜けちまうよ。
べたってその場に膝ついた。
Aを抱えたまんまだった事を忘れて……。
「……!……私より、ルフィの方がヤバいんじゃないの…?」
「………んなわけねーだろ。」
「えー?絶対そうだよっ。」
何故か元気いっぱいのAは、今おれが……おれ達がどう思っているのかを分かった上でやってるんだと思う。
身体もほとんど動かなくて、意識を保つのさえやっとなハズなのに……。
「………っもう……いいからっ!」
「……うん?いいって……なにが?」
「分かってるだろ!?」
「………。」
もう、諦めたような顔で笑ったA。
なんなんだよ………おれはまだ諦めたくねェんだぞ……。
「おれは!!まだAとやりたい事たくさんあんだよ!!Aはねェのかよ!!!?」
「うっ……え、と………その………。」
「………っ!」
ビョーキで苦しんでたのに、無理やり空気を明るくさせようとしてくれたのに……。
やっちまった………。
泣きそうになってるAを見て、そう思った。
「………ごめん。なんか今日は変だな、おれ。」
「…………変じゃ……ない。いつも通りのお兄ちゃんだよ…。」
「………っそっか!」
一番辛いのはAなのに、ムリさせてばっかりで……。
でも口を開いたら「ごめん」しか出てこない。
きっとAは、そんなの望んでねェはずだ……。
。
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