続々 ページ7
少しクセのある髪が垂れ、少女の顔を隠していく。
まるで、見るなとでも言うかのように。
自分とさほど変わらないというのに、何故だか今はとても小さく見えた。
そして、今がチャンスだとも思えた。
「……っごめんなさい!!」
駆け寄って、しかし距離を置いて、勢いよく下げた頭と同時に謝罪の言葉を。
マキノのアドバイスを元に。
しかし、いくら待ってみても何も言われない。
どうしたのかと頭を上げれば、ポカンと口を開けて驚いているようだった。
「………なんで……あやまるの…?」
目が合えばすぐに逸らし。
しかし、聞きたいことを聞いた。
「いっぱい冷たくしたのに………悪いのはわたしの方なのに…。」
お互いが謝り合い、この話は終わり。
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「___何やかんやあって……こうなった!」
「いや分かるか。」
いつの間にか全員が、耳を傾けていたようだ。
客が明らかに増えている。
「今は仲良いとは思ってるけど……初対面の頃なんて…。」
めちゃくちゃ逃げ回ってたなぁ…。懐かしい。
遠い目でそう言う彼女に、隣がゲラゲラ笑い出す。
「あの後も何年かは泣き虫だったもんなァ〜!!」
まさかの恥ずかしいエピソードを暴露されるとは思ってもいなかった。
そのせいか、弟の頬を思い切り引っ張りながらこう言った。
「笑うな潰すわよ。」
「何を。」
「心臓。」
「怖っ。」
その後も伸びる頬を伸び縮みさせ、遊ぶ彼女に質問がかかる。
「人間嫌いって言ってもさ、この前好きって……。」
「うん?……ああ。」
離せとは言われない為、遊びつつ答えた。
「私達魔法使いってね、元々は普通の人間だったのよ。」
その爆弾に似た発言に、ほとんどの者が驚いた。
しかしそれを気にもとめず、話を続ける彼女。
「すっごく低い確率だけど、時々普通の親から魔力を持つ子供が産まれる時があるの。その子供が親になった時、素質を持つ子供が産まれる。」
「その素質を開花させるかしないかで、今後の人生を大きく変えた_それが魔法使い。それが私達ってわけ。」
「人間が嫌いって言ったのは私の勉強不足だったから。人間と私達は種族が違うと思ってた。けど全く同じだった。」
「それを知った時に嫌いになるのは
話す度に細められる目と暗くなる顔に、正面に座る弟以外は気づかない。
魔法使いの秘密はまだまだあるだろう。
。
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