あの二人が… 1 ページ7
side 赤羽_
今朝、教室の扉を開けたら、慌てているようにおろおろとするAちゃんと、泣いている茅野ちゃんがいた。
何故こんな事になっているかは知らないため、とりあえず近くにいた人に聞く。
｢ねー、何かあったの?｣
｢うーん……何かあったと思うんだけどな、皆見てたんだけどよくこの状況分かってねーんだよ。｣
｢?どーいうこと。｣
｢俺らも分かんねーってこと。｣
＿＿つまり、茅野ちゃんが泣いている理由は誰も知らないということ。
彼女もどこかやってしまったという表情で……。
｢カ……カエデ……。｣
｢……ぐすっ…Aがっ……あんな顔するからぁ……っ。｣
｢｢……?｣｣
"あんな顔"……?
二人の間でしか分からない話。
それに何処かムズムズする。
変な感じだ……。
｢カエデちゃん…?あんな顔って……Aちゃんが変な顔でもしたの?｣
｢…ふぐっ……えぐっ。｣
｢わ、私……カエデに色々……っ。｣
｢ちょっ……!あんたまで泣きそうになんないで!!｣
女子たちで話を聞こうと、必至に宥め始める。
しかし十分ほど経っても、理由を聞こうにも、なかなか二人は口を開かないらしい。
とうとう女子たちは折れてしまった。
｢はぁ…。なかなか収まんないねぇ。｣
｢何か揉めてたってより、茅野が止めてたって感じだったけど……。｣
｢話してた内容も全然聞こえなかったしねー。｣
と、皆が話す。
……やっぱり誰も知らないのか。
とすると、やはりあの二人に聞くしかない。
でも理由を言わないというか、話が通じない二人にどうやって……。
。
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