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「……うーん、おかしいですねぇ。」
と、ポリポリと頭をかく超生物。
この時間ならもう来てもおかしくはないはずだと呟きながら辺りを見渡した。
「何よ、まだ転校生来てないの?」
と言いながら校舎内から出てきたのは、金髪の外国人女性だ。
何時になっても来ないため、道にでも迷ったのかと思ったのか、超生物は探しに行くと言ってマッハで飛んで行ってしまった。
「………大丈夫かしら、あのタコに任せて…。」
心配だと言わんばかりにため息を吐くと、こちらへ近づいて来る気配を感じた。
ぱっと顔を上げると、そこには何処か見覚えのある顔が見えた。
「あれー?もしかしてイリーナさん?」
やけにのんびりとした声でそう言う彼女は、少し嬉しそうに外国人女性もとい、イリーナへと近づく。
「転校生って……アンタだったの?」
「うんっ!ごぶさたですねー!」
相変わらず笑顔を浮かべる彼女に再びため息を吐くと、まさかと言うように聞いた。
「………アンタ、独断で来た訳じゃないわよね…?」
と。
昔からとにかく一匹狼タイプで、敵陣に突っ込んでは周りによく心配を掛けさせていた彼女。
もしや今回もそうなのではないかと思ったのだ。
たった半年の付き合いだったがイリーナにとって、彼女ほどの危なっかしい暗殺者は見たことがないほどだったからだ。
「__……………。まっさかー!ちゃあ〜んと準備してますよ、偽家族をね。」
一瞬表情を消すも、またすぐに笑顔をして見せた。
そんな彼女にイリーナはビクリと身体を強ばらせる。
彼女の殺気は、殺気ではない。
人を殺すために出すものでもなく、要らないと分類された殺気だった。
「タコさんいます?」
「あ、あぁ…たった今あんたを探しに、」
イリーナが言い切る前に、後ろに誰かが現れた。
その誰かとは、もちろん超生物である。
「どこにも居ませんでしたね〜……。本当にどこに……にゅや!?」
「__!あなたがせんせー?よろしくー!」
着陸した時にふとイリーナの隣を見た。
するとそのには居なかったはずの転校生が……。
「君が黒瀬Aさんですね。しかし初日から遅刻とは…。」
「ごめんごめん。まさかこんなに遠いとは思わなくって〜。」
クスクス笑う彼女は、その笑顔で警戒心を溶かしていく。
彼女はそういう暗殺者だ__。
。
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