キムミンギュの憂鬱 (ページ12)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:83,733 hit

12 ページ12

-

『この距離なのに、送ってくれてありがとう』

俺は沢山話したいことがあったけど、隣だけに本当に一瞬の時間だった。

『気にしないで、Aちゃんはその…可愛いんだから、気をつけないと』

" 可愛い "を一言伝えるのにつっかえた。言いたいのに言えない言葉だった。言ったあとの俺の顔、どんななんだろう。きっと真っ赤だ。

Aちゃんもその一言に驚いたのか、少し目を見開いた。そのあとに少し下を向き何かを考えるような表情を見せた。…と、思ったら。

『ミンギュくん、背が高い人が苦手ってだけで好きじゃないなんて言ってごめんね。ミンギュくんはいい人だと思うから、その…

好きになれそう』

本当にありがとうございます、また逢おうね。そう言って軽く会釈をしマンションへ入るAちゃん。

肝心の俺はというと…さっきの言葉が無限ループ。そしてみるみる体温が上がる。居ても立っても居られない状態で宿舎に向かって全力疾走。

無意識でああいうことをするの？Aちゃんは何者なの？…あーヤバイ、どうしよう。本気で好きになっちゃった。もう、誰にも渡したくない。Aちゃんを俺のものにしたい。

そんな欲望が生まれるくらいには頭の中がAちゃんで埋め尽くされていた。ヒョンたちには内緒にしておこう、きっと顔でばれちゃうけど。

だって、いまの俺最高に幸せな顔をしているから。

-