【刀剣乱舞】消えた本丸と私の恋刀を探して～2nd～ (ページ3)

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天音「お…おかあ…さ…ま…」

揚羽「ふ～ん、その刀剣男士から神気をもらったせいで、随分と汚れてしまったのね。返して、その子を」

鶴丸「返せと言われて素直に返すと思ったか？」

揚羽「その子はね。この子たちのいわゆる霊力タンクなのよ。出会った時に感じなかった？黒い霊力。あの頃のあの子の霊力はそれは美しかったのに…」

鶴丸「本当にそうか？」

揚羽「これを聞いても貴方はまだその子の肩を持てる？その子はね。私と貴方たちが時間遡行軍と呼んでいるこの子たちのハーフなのよ？」

鶴丸「そんなのは関係ないな。天音は天音だ」

揚羽「へぇ…」

＊
オレと天音が出会ったのは、2年前。主も無くし、仲間もおらず、途方にくれ、たまたま出陣した先の平地で天音は倒れていた。腹や胸を斬られ死ぬんじゃないかってぐらい斬りつけられており、風前の灯火だった。彼女は禍々しい黒い霊力を持っており、攻撃しようと思えばいくらでもできたはずだが、そうしなかった。そして、彼女は息絶え絶えにオレにこう言った。”助けて”と…彼女は禍々しいほどの黒い霊力を持っていたがその心には迷い、いや抵抗があった。自分はこんなことしたくないのにと…

鶴丸「なぁ、オレの主になってくれないか？」

天音「え…わたし…なに…するか…わか…んない…よ」

鶴丸「君、遡行軍側の人間だろ。その気になればオレのことをとっくに殺すなりなんなりしてるはずだ。動けなくてもアンタの霊力ならなんとかなるだろ」

天音「そう…だ…ね」

鶴丸「君はもうそのまま回復することはないだろう。いくら霊力が高いとはいえ生身だ。その傷じゃもう…」

天音「そう…そのうえ…死ねない…んだから…生霊…そのもの…」

鶴丸「オレの神気をやろう。そうすれば時期に動ける」

天音「ねぇ、貴方…かみ…さま…なんでしょう？記憶も…消せる？」

鶴丸「あぁ、君が望むなら」

天音「なら…消して…ほしい。こんな…こと…忘れ…て…違う…自分…になり…たい…の」

鶴丸「あぁ…わかった。目を瞑ってくれ」

天音「わかっ…た」

その時、天音は記憶を忘れ、新たな自分として生まれ変わった。真っ黒な少女は純白の少女へと生まれ変わった。