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目線の先で黒い何かが動いた。
それはふわふわしていてカモノハシのようなどこか可愛らしい不思議な生き物。
Aはその生き物に見覚えがあった。
ニフラー＿＿…キラキラとした光物が大好きで、集める習性を持つ魔法動物だ。
その二フラーは今まさに、物乞いの帽子に集められたコインをお腹の袋に入れようとしている。
｢冗談ではありません。
我々の中に＿＿＿…“魔女”が存在するのです！｣
女性が告げた言葉にザワつく聴衆を他所に、Aは今起きている事態をニュートに知らせるため、彼のコートの裾を引っ張る。
漸く彼もニフラーに気がついたのか、目を見開いたあと己の持つトランクへと目を落とした。
私達が見ていることに気づいたニフラーは、帽子の中身を急いでお腹に詰め込んだあと、銀行の中へと駆けて行く。
｢ああもう、嘘でしょ…。また逃げ出してるじゃないあの子…！｣
｢アイツがすぐ逃げ出す悪い子だってAも知ってるだろ…、早く追わないと｣
叱るのは後でだ、ニュートがそう言うと2人は銀行へと走り出した。
聴衆を掻き分けながら進む2人。
すると、魔女狩りについてのビラを配る青年とAがぶつかった。
｢っ、ごめんなさい｣
その弾みで青年の持っていたビラが地面に散らばる。
Aはニュートに先に行くよう告げたあと、すぐにしゃがみこみ、落ちたビラを拾い集めた。
｢大丈夫？ごめんなさい本当に…｣
｢いえ……｣
目を合わせようともせずに、ただ落ちたビラを拾う青年を、Aは気づかれないようにそっと盗み見る。
青年のがっしりとした身体には少し窮屈そうな服。
手のひらに刻まれた無数の傷跡。
Aはつい眉を顰めた。
集めたビラを青年に渡すのと一緒に、コートのポケットに入っていたカラフルな飴玉をいくつか彼の手に乗せる。
｢＿＿…クリーデンス！！何をしているの｣
怒ったように彼の名前を呼んだ女性を横目に、Aはそっと人差し指を口元へ近づけて微笑んだ。
｢あの人には、内緒ね｣
そう言って立ち上がると、Aはニュートの元へと向かった。
青年＿＿…クリーデンスは手のひらに残された飴玉をそっとポケットに突っ込むと、走り去る彼女の後ろ姿を見つめた。
そうして、またビラを配り始めるのだった。
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花音 - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;｀Д´)これからも応援してます(^○^) (2020年12月2日 0時) (
レス) id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
虹目(プロフ) - さえぽんさん» はじめまして！コメントありがとうございます！返信遅れて申し訳ないです！勢いで書き始めてしまったので、そう言って頂けるとすごく励みになります^^*これからも更新頑張ります！！ (2018年12月28日 17時) (レス) id: 07cb07ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
さえぽん(プロフ) - はじめまして！文章が凄く読みやすいし、情景が浮かぶ素敵な書き方で、夢中になっちゃいます！！更新楽しみにしてます(*^▽^*) (2018年12月22日 0時) (レス) id: 9a3f1956ab (このIDを非表示/違反報告)
虹目(プロフ) - 太宰君(cv.Ruka)さん» ありがとうございます！更新頑張ります！！ (2018年12月19日 21時) (レス) id: 07cb07ccf7 (このIDを非表示/違反報告)
太宰君(cv.Ruka)(プロフ) - 頑張ってください^^ (2018年12月18日 20時) (レス) id: 75c39add68 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓮 | 作成日時：2018年12月16日 23時
