ヤバいお姉さん？ 金城視点 ページ4
(仕事終わりっと。この後は皆で飲み会かー。しかも課長が誘って長谷部さん来てくれるみたいだし。めっずらしーってか初。いつの間に誘える仲に？……ん？あの人って……え”……)
ある日のこと。退勤時、先に外に出て桃瀬くん達を待っている間、俺は見てしまったのだ。
堀川くんの知り合い？である、清掃員のお姉さんがヤクザっぽい人達と会っているところを。
(えー……怖ぁー……)
一人は金髪の青年で、もう一人は眼鏡をかけた長身の男性。
最後の一人がサングラスをかけていて、顔に刺青？のある男性。全員がちょっと厳つめの白スーツを着ていて、サングラスの男性に至ってはロングコートを肩にかけている。
雰囲気や佇まいから只者じゃないのは察した。
「あれ？わざわざ三人で迎えに来てくれたの？」
「ある……お嬢、お疲れ。俺達はお頭の付き添い、にゃ。まだ時間あったからこの辺見て回ってたんだ……にゃ」
「こちらで一家揃って食事をとるのは初めてだ。しかも、小鳥……いや、君も同席すると考えたら、柄にも無く浮かれてしまってね。つい早く来てしまった」
「姫と御前は予約した店で先に待っているそうだ」
桃瀬くん達を待っている間、四人の会話が隣から聞こえてくる。平然を装っているが俺の脳内は軽くパニクっている。
(え、何。“お嬢”？てか、語尾“にゃ”って何。あの不良っぽい見た目で“にゃ”？ギャップくしょかわ〜。じゃなくて、“一家”とは？？“小鳥”って何。お姉さんのこと？姫って誰。お姫様でもいるの？御前とは？あの清掃員のお姉さん、関わんない方がいいかな)
四人が背中を向けて去ったのと同時に、タイミング良く桃瀬くん達が「おまたせ〜」と手を振って会社から出てくる。
長谷部さんの隣には堀川くんも居た。
「折角だから堀川くんも誘ったんだけど、大丈夫だったかな？」
「うん、大丈夫大丈夫。むしろ一緒に飲みに行けて嬉しい〜。あ、ねぇ。堀川くんって清掃員のお姉さんと知り合いなんだっけ？」
「？はい。一応」
「どんな人なの？」
「どんな人？えと……穏やかで面白い人ですよ。けど何でいきなり？」
「ちょっと気になっただけー」
「あ。桃瀬さん達から聞いたんですけど金城さん、アニメ好きでしたよね？清掃員のお姉さん、Aさんもアニメ好きなんですよ。主に漫画派らしいですが」
「へぇ〜。そうなんだ。明日居たら話しかけよっ」
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作者名：山猫 | 作成日時：2016年5月2日 2時
