１７◆支えの言葉 ページ18
「相葉くんは、それでなんて？」
「ん？ …ああ、うん。
そうねぇ…特に何を言うってわけじゃなかったけど」
「…」
「でもそうね、ひとつだけ。
俺がAさんを苦しめてるなんて、
そんなの死んでも絶対やだって」
「あは…相葉くんぽい」
「ね。だから次からは絶対自分に言ってほしいって。
愚痴でも恨み言でも、ホントに何でもいいから…
全部自分に、ちゃんとぶつけてほしいって」
美沙ちゃんは黙ったまま、
その言葉の意味を考えているようだった。
「絶対ひとりにしないって、
最初に約束したでしょって…」
きっとあなたもそう。
言い方も伝え方も私たちとは違うだろうけど、
(でもきっとなにか…)
支えになるような―――
ずっと心の中で支えになるような、
彼の言葉があったはず。
その言葉があったから、
大きな覚悟と決断をしたはずでしょう？
「…ね？ 最初は２人だったってこと。
それを忘れないでほしいの」
彼女にそう言いながらも、
自分の中がスッと落ち着くのが分かった。
(情けない…)
ずっと信じるとあの時決めた。
彼だけを信じて、
共に歩くと決めたはずだったのに。
(…偉そうなこと、全然言えないじゃない)
なにを卑屈に揺れていたのだろうかと、
呆れながら今朝の自分を思い出した。
「…はい」
涙を拭いて美沙ちゃんが笑う。
その目にはあの幸せそうな輝きが戻り始めていて、
「よし！じゃあ大野さん呼んできましょうか」
「…でも…」
「大丈夫。思ってたこと全部…
それに大事な報告も全部。伝えてごらんなさい？」
「…はい」
「それとなにかあったかいもの先輩に作ってもらうから。ね？」
背中をポンポンと撫で、
部屋を出ようとドアに手をかけたら、
「Aさん！」
「なぁに？」
振り返った私に深く頭を下げ、
「ありがとうございました」
美沙ちゃんは丁寧にそう言ってくれたけれど、
お礼を言わなきゃいけないのは私の方。
「どういたしまして。
私もよかった…今日あなたに会えて」
「えっ？」
美沙ちゃんが不思議そうに首をかしげる。
そんなちょっとした仕草もそう。
昔から大野さんにそっくりだったわね―――
「大事なこと、いっぱい思い出せたから」
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薫子(プロフ) - さやさん» ホント久々に宣言通り走り抜けました！３日の闇は全然残ってるんだけど、やけくそパワーで乗り切れたので結果オーライかな？最後までお付き合いいただきどうもありがとうございました！！ (2019年1月5日 13時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりの短距離走でしたね？お疲れ様でした！闇が、じゃなくって奥が！深い強いお話でした。3日の闇が残るかｺｯｿﾘ心配してましたが、流石プロだ♪ヽ(´▽｀)/完全内輪の内に入って読ませて頂きました！ありがとうございました！ (2019年1月5日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - さやさん» 明けましておめでとうございます♪今まで部分的にしか出してこなかった彼女たちの物語ということで、何とかカタチになってよかったです。新鮮に読んでいただけてたら嬉しいな♪二宮の和也氏には早く動くように伝えときますｗ 今年もどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月2日 20時) (レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりにまぁくんちの薫子さんに逢えて嬉しい短編！彼女たちの状況は分からない(←あたりまえ)のに、涙が溢れます！涙で明けた2019年！今年も薫子さんの相葉之雅紀氏に…違うや二宮之和也氏に会えることを楽しみにしています(^^) (2019年1月2日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2018年12月27日 10時
