１６◆遠い日の話 ページ17
「実は私もね、一度だけあるのよ。
まぁくんに理不尽な怒り方されて…
それで夜中に家を飛び出したの」
「えっ？！」
美沙ちゃんが目を丸くしている。
その様子に、
(やっぱり意外なのかな…)
苦笑いしながら遠いあの日を思い出した。
冷えた夜の匂い、
細かく肌を刺す雨の冷たさ。
「私、言ったのよ。
…ヘラヘラしてるのはどっちなのって」
低く穏やかな彼らの声、
熱いハーブティーの香り。
「私じゃない誰かに毎日笑って、手を振って。
みんなに恋されてるのは誰なのって…」
目の前がどす黒く染まり震えが走るほどの嫉妬にも、
そんな醜い感情が自分の中にあったという事実にも。
足元が崩れていくような惨めさに、
かつての私も愕然とした。
「言葉にしたのは後にも先にも、
その１回だけだけどね」
「そっ…それ相葉く…あ、ご主人に？」
「ふふ、相葉くんでいいわよ。
けどそう。彼は全部、黙って聞いてた。
あ…電話越しではあったけどね」
私を救ってくれた優しい声を久しぶりに思い出した。
あの彼にもずいぶんと会っていない。
うちでお花見をした時以来になるのかな…
――自分の中に…そっか、そういう気持ちもあったんだなーってさ。
――そう認めてやるだけでいいんじゃねぇの？
関連するお話はこちら↓
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薫子(プロフ) - さやさん» ホント久々に宣言通り走り抜けました！３日の闇は全然残ってるんだけど、やけくそパワーで乗り切れたので結果オーライかな？最後までお付き合いいただきどうもありがとうございました！！ (2019年1月5日 13時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりの短距離走でしたね？お疲れ様でした！闇が、じゃなくって奥が！深い強いお話でした。3日の闇が残るかｺｯｿﾘ心配してましたが、流石プロだ♪ヽ(´▽｀)/完全内輪の内に入って読ませて頂きました！ありがとうございました！ (2019年1月5日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - さやさん» 明けましておめでとうございます♪今まで部分的にしか出してこなかった彼女たちの物語ということで、何とかカタチになってよかったです。新鮮に読んでいただけてたら嬉しいな♪二宮の和也氏には早く動くように伝えときますｗ 今年もどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月2日 20時) (レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりにまぁくんちの薫子さんに逢えて嬉しい短編！彼女たちの状況は分からない(←あたりまえ)のに、涙が溢れます！涙で明けた2019年！今年も薫子さんの相葉之雅紀氏に…違うや二宮之和也氏に会えることを楽しみにしています(^^) (2019年1月2日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2018年12月27日 10時
