１２◆揺れる思い ページ13
「…でも、表の『彼』が帰ってくるのは、
自分のところなのも本当でしょう？」
口を開くのもおっくうなほど疲れていたり、
悔しさに歯を食いしばり涙を滲ませていたり、
時には抑えきれない怒りに身を震わせていたり。
まったく素の状態で帰ってくる彼は、
表舞台で輝く『彼』とはまるで別人だけれど。
「彼が帰る場所はあの家しかないんだって。
だったら私はしっかり家を守ろうって。
彼が表でどんなに傷ついて疲れても大丈夫なようにね」
「…」
「そのことを思い出すようにしてたら、
まぁなんとかいつも…闇は抜けるかしらね」
私の言葉をじっと考えて、
やがて美沙ちゃんは小さくうなずいた。
「私…最近ずっと自信なくて…」
「うん」
「こんなに揺れてる私なんかが、
このまま智くんのそばにいていいのかなって。
そんな資格ないんじゃないかって…」
「…」
「だって、そばにいていいのかなって言ったって困らせるだけに決まってるし、俺のそばにいてって智くんはきっと言うだろうし、そう言われるだろうって思ってる自分もなんかすでにもう嫌だし、」
まくしたてる勢いにちょっとあっけにとられていたら、
パッと口を閉じた美沙ちゃんが恥ずかしそうに笑った。
そしてふうっと息を吐くと元のトーンに戻って、
「私がいるだけで、智くん…
今までにも外でたくさん、
嫌な思いしてるのに」
「うん…」
「なのに、さらにまたこんな…」
「…？」
「もういっそのこと、
距離置いた方がいいのかなって…っ」
その言い方を不思議に思った瞬間、
美沙ちゃんが消えそうな声で呟いた。
「私いま…赤ちゃんがいるんです」
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薫子(プロフ) - さやさん» ホント久々に宣言通り走り抜けました！３日の闇は全然残ってるんだけど、やけくそパワーで乗り切れたので結果オーライかな？最後までお付き合いいただきどうもありがとうございました！！ (2019年1月5日 13時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりの短距離走でしたね？お疲れ様でした！闇が、じゃなくって奥が！深い強いお話でした。3日の闇が残るかｺｯｿﾘ心配してましたが、流石プロだ♪ヽ(´▽｀)/完全内輪の内に入って読ませて頂きました！ありがとうございました！ (2019年1月5日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - さやさん» 明けましておめでとうございます♪今まで部分的にしか出してこなかった彼女たちの物語ということで、何とかカタチになってよかったです。新鮮に読んでいただけてたら嬉しいな♪二宮の和也氏には早く動くように伝えときますｗ 今年もどうぞよろしくお願いします！ (2019年1月2日 20時) (レス) id: bb4ba45953 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 久しぶりにまぁくんちの薫子さんに逢えて嬉しい短編！彼女たちの状況は分からない(←あたりまえ)のに、涙が溢れます！涙で明けた2019年！今年も薫子さんの相葉之雅紀氏に…違うや二宮之和也氏に会えることを楽しみにしています(^^) (2019年1月2日 8時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2018年12月27日 10時
