３９★毛糸の帽子 ページ10
「これ開けていい？」
「もちろん、どうぞ」
スベスベのリボンをほどいて中をのぞいたら、
「あ、毛糸…あ、帽子！」
黒に近い紺色の毛糸だけど、
よく見たら色んな色が複雑に入ってる。
形はすごくシンプルで、
スキー帽みたいだけど先にポンポンがついてて…
「えっもしかしてこれAさんが編んでくれたとか？」
「…分かります？」
なんか気まずそうな顔してる。
なんでだろ。
「うん。だってほら、
あそこに見えてるやつでしょ？」
「え？ ああ。…ええ、そうです」
俺が指差した先を見てAさんが納得した。
「編み棒ってやつ？」
「はい」
さっき手洗った時にフッと見えたんだよね。
茶色いカゴになんか入ってて、
そこから長い棒が飛び出てんのが。
その時は何か気にしなかったけど、
この帽子見たらピンときちゃった。
「わ、可愛いねーここ」
帽子をクルッと回してみたら、
右サイドに銀の糸でワンポイントが入ってた。
縦長の米印みたいなデザインで星が刺繍されてる。
「あんまりシンプルなのもなんだかなって…」
「さっすがAさん！
ねー見てみて、似合う？」
スポッとかぶったら本当にあったかくて、
チャリとかで出かける時に絶対重宝するなって思った。
「すっげぇなー、Aさん編み物もできるんだぁ…」
洗面台のとこの鏡で帽子かぶった自分を見てみたくて、
フッと立ったついでにさっきのカゴが目に入った。
「これかぁ」
何気なく近寄ってカゴを手にした俺の後ろで、
「あ、待ってそれは…！」
Aさんが小さく息を呑んだ。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつも愛のあるコメントありがとうございます(^^) 今回も無事完結できてホッ。気づけばこんなに長く続いてて私自身もびっくりだけど、これも読んで下さる方々のおかげ！これからもよろしくお願い致します(o^^o) (2017年12月29日 16時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 薫子様、お疲れ様でした！素敵なお話をいつもありがとうございます。色んな感情にさせて頂き沢山の種類の涙を流せました！涙活ﾊﾞﾝｻﾞｰｲ！長年に渡りの超大作本当にお疲れ様ですm(__)m (2017年12月29日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年12月23日 10時
