３５★切られた糸 ページ6
「相葉くん、今日はどっち？」
「えーっとねぇ…」
今日は早く仕事が終わったし、
まだこんな時間だからAさんも起きてるかも。
明日はオフだし今夜は病院に泊まって、
「病院行ってくれる？」
洗濯とかするにしても、
マンションには明日の昼すぎに戻ればいいかな。
「分かりました」
マネさんがスムーズに車を出した。
その後部座席で俺は思いっきり深くため息をついて目を閉じた。
(あー疲れたぁー…)
リーダーが嵐をやめちゃうかもって、
今日は本気でそう覚悟した。
だってニノが楽屋に入ってくるなり、
『もういいよって。
疲れたんならもうやめなって』
おとといリーダーにそう言ったって言うんだもん。
最近のリーダーはホント日に日に危なっかしいっていうか、
いつどうなるか分かんない張りつめた感じがあったから、
『糸…切ったんだよ』
ニノにそう言われた瞬間それが何の話で、
どういう意味なのか分かった。
だから俺らにそう言ったニノが、
そのまま目の前でボロボロ泣きだした時も、
(そっか…終わっちゃうんだ嵐…)
俺の頭にあんのはそれだけで、
けどきっとニノはリーダーと嵐のためを思って、
自分だけ悪者になってそう言ってくれたんだろうから。
だからそんな悲しそうに泣かないでほしいなって、
ただひたすらそう思ってた。
「ありがと。じゃあまた明後日ね」
「お疲れさまです」
「うん。お疲れさまー」
結局リーダーは嵐をやめたりしないって言ってくれて、
ホントめちゃくちゃ安心した。
「こんばんはー」
「あ、まぁくん」
病室に入ったらAさんはいつもみたいにベッドに横になってたけど、
俺を見たとたん不思議そうな顔になった。
「ん？ なに？」
「ああ…いえ」
「なにもう、気になるでしょ」
しっかり手を洗ってからベッド脇に座ったら、
Aさんが小さく笑った。
「なにかありました？」
「え？」
「すごく…なんだか、明るい顔に見えて」
さすがAさん。
鋭いな。
「えー？ 俺そんな最近暗い顔だった？」
「そういうわけじゃ、ないんですけど」
「でも当たりだよ。
今日ねぇ、すごくいいことがあったの」
「そうでしたか」
Aさんはこういう時あれこれ聞いてきたりしない。
聞いてきたりはしないけど、
「よかったですね」
ってすごく嬉しそうに微笑んでくれたのを見て、
この人と結婚できてよかったなぁってしみじみ思った。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつも愛のあるコメントありがとうございます(^^) 今回も無事完結できてホッ。気づけばこんなに長く続いてて私自身もびっくりだけど、これも読んで下さる方々のおかげ！これからもよろしくお願い致します(o^^o) (2017年12月29日 16時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 薫子様、お疲れ様でした！素敵なお話をいつもありがとうございます。色んな感情にさせて頂き沢山の種類の涙を流せました！涙活ﾊﾞﾝｻﾞｰｲ！長年に渡りの超大作本当にお疲れ様ですm(__)m (2017年12月29日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年12月23日 10時
