４７★小さな産声 ページ19
「先生っ！」
ゾッとして宮本先生を思わず呼んだら、
「大丈夫ですよ。
今ちゃんと処置してますからね」
先生はそう言ってくれたけど、
どっちの赤ちゃんも他の先生と看護師さん達に囲まれて、
俺らのところからは全然見えない。
「まぁくん…」
「大丈夫だよ。
大丈夫だから。ね？」
Aさんの手を握りながら枕元にしゃがみ込んで、
お願いしますお願いしますって、
俺はきつく目を閉じてひたすら祈ってた。
永遠みたいに思えた何秒かが過ぎて―――
「あっ」
聞こえた小さな声に思わず立ち上がった。
ドラマで見るような「オギャー」って感じではなくて、
もっと弱々しくて子猫みたいな声だったけど、
それは確かに赤ちゃんの泣き声だった。
「泣いた…ね、聞こえた？
ちゃんと泣いたよAさん！」
「…っ、はい…」
Aさんがスルスル涙を流してる。
それを見たら一気に俺も目頭が熱くなって、
「Aさん…ありがとう…」
ずっとずっと、辛かったよね。
あんなに長い間苦しいのを我慢して、
「ありがとう…」
本当に、命がけでここまで頑張ってくれた。
「ありがとね…お疲れさま」
声もたてずに泣いてる目尻に、
そっとキスしてささやいた。
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薫子(プロフ) - さやさん» いつも愛のあるコメントありがとうございます(^^) 今回も無事完結できてホッ。気づけばこんなに長く続いてて私自身もびっくりだけど、これも読んで下さる方々のおかげ！これからもよろしくお願い致します(o^^o) (2017年12月29日 16時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 薫子様、お疲れ様でした！素敵なお話をいつもありがとうございます。色んな感情にさせて頂き沢山の種類の涙を流せました！涙活ﾊﾞﾝｻﾞｰｲ！長年に渡りの超大作本当にお疲れ様ですm(__)m (2017年12月29日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薫子
| 作成日時：2017年12月23日 10時
