４６★誕生の瞬間 ページ18
病院に着いてすぐ手術室に案内された。
詳しい経緯は廊下を足早に歩きながら説明されて、
(Aさん…！)
オペ室のドアが開いた瞬間手術台のAさんが見えて、
ホッとしたけど心配で心臓が痛くなった。
「相葉さん、もう大丈夫ですよ。
ご主人来て下さいましたからね」
先生の声にAさんがハッとする。
目で俺を探してるのが分かって思わず駆け寄った。
顔色がすげぇ悪い。
息も苦しそう。
「Aさん…！」
「ま…くん…ごめ…なさい」
酸素マスクの下でそう言ったのが聞こえた。
俺の仕事のことだよねきっと。
こんな時にそんなこと気にしなくていいのに。
「大丈夫だから。ね？
これから赤ちゃんに会えるんだよ」
あと少しだから一緒に頑張ろ？
一生懸命そう言ったら、
Aさんが小さくうなずいた。
「じゃあご主人、
そのままそこにいらして下さい」
「あ…はい」
Aさんの肩にそっと手を当てたら、
宮本先生と目が合った。
(お願いします…！)
俺の思ったことが聞こえたみたいに、
先生はひとつうなずいてくれた。
麻酔をかけられたAさんは、
不安そうに天井を見つめてる。
難しい器具の名前とかが小さく聞こえてたのは最初だけで、
「はい、赤ちゃん産まれまーす！」
えっもう？！
なんか想像よりかなりあっけない。
急に言われてびっくりしたけど、
「あ…！」
先生がゆっくり取り出したのは、
びっくりするほど小さな赤ちゃんだった。
ギュッと目を閉じてちょっと寒そうに丸まってる。
「可愛い女の子さんですよー！」
「おめでとうございます！」
先生と看護師さん達が口々にそう言ってくれて、
そのうちにもう１人の赤ちゃんも取り出された。
「Aさん、ねぇ見える？
産まれたよ…！」
「ええ…」
Aさんも先生の方を目で追ってるけど、
なんかまだ不安そうにしてる。
「泣いてない…ですよね」
そう言われて気がついた。
どっちの赤ちゃんも、
まだ産声を上げてないんだって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薫子(プロフ) - さやさん» いつも愛のあるコメントありがとうございます(^^) 今回も無事完結できてホッ。気づけばこんなに長く続いてて私自身もびっくりだけど、これも読んで下さる方々のおかげ！これからもよろしくお願い致します(o^^o) (2017年12月29日 16時) (
レス) id: aa5d845008 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 薫子様、お疲れ様でした！素敵なお話をいつもありがとうございます。色んな感情にさせて頂き沢山の種類の涙を流せました！涙活ﾊﾞﾝｻﾞｰｲ！長年に渡りの超大作本当にお疲れ様ですm(__)m (2017年12月29日 12時) (レス) id: d0bf1f7a31 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薫子
| 作成日時：2017年12月23日 10時
