５４４．タイムリーな発見（翔side） ページ22
(今日も朝帰りだな…)
スタジオを出て次の仕事先に向かう車の中で目をつむり今日の予定をざっと頭の中に並べる。
年末に向けて忙しいのはありがたいことだけど、後から後から仕事が山のように増えていって
正直時間や日付の感覚なんかだいぶ前からぶっ飛んでいた。
車からの街並みにやっと、明日がクリスマスだということを思い出す。
正直なところクリスマスなんて年末カウントダウンの一日にすぎねーんだけど。
…あ、少なくとも相葉ちゃんの誕生日ではあるか。
(ゆき…どうしてっかな)
今日はレストランで吉岡さんと女子会、と言って笑ってたけど。
クリスマスもろくに一緒に過ごせないなんて、ってこないだ謝ったら
「気にしないで、うち仏教だし」と返ってきて笑えた。
簡単なやりとりでも、今は変に勘ぐったりすることもない。
無理をさせてないかな、と裏を読む必要もない。
以前の俺らと交わす会話は変わらないけど、抱えてた気持ちがそれぞれ伝わったせいだろうか。
ゆきがうちに戻ってからは特にそう感じるようになった。
都内のショップで撮影が始まった。
このかき入れ時によく店を半分でも貸切にできたもんだ。
遠巻きにロケを眺めるお客さんたちを視界の端に入れながら
驚き気味にそんなことを考えた。
後半の撮影のためにバタバタしているスタッフをよそに俺はちらっとショーケースを眺めた。
キラキラ光るアクセサリー。
頼りなく細いチェーンの先に色とりどりの石がついている。
こういうの全然分かんねーけど。
あんまり…ゆきって感じはしねぇな。
ショーケースを左から右へ流し見していた視線の先で、
ふと小さなボトルが目に留まった。
「あの、これは…？」
終始ニコニコしている店員さんに聞いてみる。
するとこの店オリジナルの香水だと紹介され、店員さんはそれを空中にシュッとひと吹きした。
(お……？)
結構いいじゃん。
あんまり甘くもなく、かといってキツイわけでもない。
ラストにふっと香るフローラルな感じがちょっと可愛い。
全国５００本のクリスマス限定ボトルで雑誌にもちょくちょく紹介されているらしく、
この店でもこの１本が最後なんだとか。
(そうだ、これにしよう)
ゆきへのクリスマスプレゼント。
そう決めた時後半の準備ができて俺も呼ばれた。
マネさんにこっそり買取を依頼して、俺は撮影の続きに戻った。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
薫子(プロフ) - 知代さん» そうですよねー、第１話で来るべき未来は明白になってるわけだから…この先どこで知代さん泣いちゃうかな？フフフ…。低い声のラップ好きでして♪でもボソボソ話し声に聞こえたりしない？あれ私だけかな(笑) (2013年11月6日 19時) (
レス) id: 6043de2546 (このIDを非表示/違反報告)
知代(プロフ) - 話がだんだんと終わりに近づいてるのが切ない…( ; _ ; ) ゆきちゃんの運命は変えられないことだって分かってても、やっぱ切ないですorz そして翔ちゃん… 自分のラップを他の男の声と勘違いするなんて…なんか可愛い…(笑) (2013年11月6日 18時) (レス) id: fcde1493f2 (このIDを非表示/違反報告)
薫子(プロフ) - さやさん» 夜中の熱は大丈夫だった？インフルとノロは隔離されちゃうよね＾＾； 早く元気になりますように！ (2013年2月11日 8時) (レス) id: e052895b8e (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 朝から絶好調超ｗｗ今日1日はふとつむりだゎ(*_*)家族に隔離され中(-_-;) (2013年2月11日 8時) (レス) id: b8e2f59c3f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：薫子
| 作成日時：2012年3月13日 11時
