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フォス「金剛先生!お呼びですか!」
重厚な石英の扉を開けて、窓際の先生に話しかける。
金剛「ああ……突然で悪いが
お前の仕事が、やっと決まったよ」
外から聞こえる音が酷く遠くで鳴っている気がして、僕は思わず黙りこくってしまった。
……僕の、仕事。
そう、僕は未だに自分の仕事を見つけられていないんだ。今まで、作戦立案やら工芸やら色々試してきた。ことごとく失敗した。
僕の仕事はきっと戦闘だ!だってそれだけ一度も試したことないんだもん!これ以外有りえないね、うん。
さあいつでも来いと意気込んでいると、金剛先生は何故かバインダーを渡してきた。
おかしいな、戦闘だったら刀を渡すはず・・・あれ、嫌な予感がしてきたぞ。
ジルコン「先生ーーー!!!」
突然扉が開き、そこからジルコンが顔を出した。焦りの表情が見える。
金剛「どうした」
ジルコン「モルガナイトとゴーシェナイトが月人にやれました!今はAが踏ん張ってます!!」
フォス「あ、そうそう。小さい黒点だし大丈夫だろって·····え!?」
うっそ3人ともさっき会って話したばっかだよ?
ジルコンの知らせを聞いた途端、先生の表情が強ばった。
金剛「この国の成り立ちは暗記しているな?」
フォス「はい!」
金剛「序文を述べよ」
フォス「ええっと、この星は七度・・・」
金剛「六度」
先生が、さっき僕とモルガ達と話をした野原へと向かいながら訂正する。
フォス「あっ、六度!
六度流星が訪れ
六度欠けて
六個の月を産み、やせ衰え
陸がひとつの浜辺しか亡くなったとき
すべての生物は海へ逃げ
貧しい浜辺には
不毛な環境に適した生物が現れた」
ゴーン ゴーン ゴーン ゴーン
ゴーン ゴーン ゴーン
外に出た途端、学校の大きな鐘が七回鳴る。戦闘担当者全員出動の合図だ。
フォス「月がまだひとつだった頃
繁栄した生物のうち
逃げ遅れ海に沈んだものが
海底に住まう微小な生物に食われ
無機物に生まれ変わり長い時をかけ
規則的に配列し結晶となり
再び浜辺に打ち上げられた」
大きな池の脇を走る。風が吹いて水面が揺れるのが見えた。
フォス「それが
我々である。」
僕をどんどんと戦闘担当のみんなが追い越す。
刀がカラカラと音を立てていて揺れていて、この状況でもあの刀で闘いたいと思ってしまった。
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しめじ少年(プロフ) - もう好き))ありがとう!頑張る!私も応援してるよー! (2020年1月31日 23時) (レス) id: 4071674049 (このIDを非表示/違反報告)
さどぱか(プロフ) - 更新頑張ってね!応援してます!(KYSさんが大好きなあなたのリア友より) (2020年1月31日 18時) (レス) id: c1e220a435 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しめじ少年 | 作成日時:2020年1月28日 17時