【d!】【隙間話】新しいお父さんはわたしを愛でてくれますか (ページ3)

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こーらるぴんくのりぼんページ3

コーラルピンクのリボン(20話)

《黒田さん視点》

｢サナちゃんおはよう!」

｢おはよう」

｢あ!サナちゃん新しい服着てる！似合ってるね」

あ〜、今日もまた聞こえてくるあの子への挨拶。これ程憎らしい子なんて滅多に居ない。
あの子は、かなりの貧乏な家らしい。いっつも大体同じ服を着て来てはこの私にものを言い返す。

だから、私も懲りずに毎日嫌われ役を自ら掴んではあの子を貶す

｢その髪飾り綺麗な色〜」

珍しく新しい褒め言葉が聞こえたと思い目をそちらに向けると、あの子の髪にはコーラルピンク
のリボンが着いていた。
そのリボンは、大体5桁位の値段で私がお父様に次のお試験に合格したら買って貰うと約束を
していたリボン。それも、個人ブランドの品だからもう手には入らないはず。

それを、なんで.......あの子が持ってるの

｢.......!?え〜？またそんな格好して来たの〜!?そんな服買わされるママ達可哀想!」

私はそんな嫉妬心を抱きながらもいつも通りあの子を貶した。そうすると、あの子の周りの
視線が一瞬で私に集まる。もちろんあの子の視線も。

少し視線の痛みを感じながらも見下すような視線をあの子に向けると、珍しく少し表情が
変わっている。新しい服が貶されて少しは腹が立ったのかしら

｢お母さんいないし正直文句言われる筋合ない」

次の瞬間、キッパリとそう返された。私に向ける言葉にはいつもより怒りが籠っているように
感じてその態度が物凄く憎ったらしい
でも、そう言われてしまうともう言える言葉も減ってきてしまう。

なので、私は咄嗟に嘘をつくことにした

｢でもその服前セールのカゴに入ってたんだよね〜結局は安物しか買えないのでしょ？」

本当は、その服なんてどこに売っていて値段はどのくらいかなんて分からない。
ただ、その口を閉ざしてやりたかっただけ

｢笑顔でそう言う黒田さんは、そんな事言うような娘に育っちゃった親が可哀想。」

あなた、それ聞こえてるわよ？心の中で言ったのかは知らないけれど聞こえてるわよ

｢別に、買ってくれたことに変わりは無いし私はセールでもなんでもいい」

もう、ほんとうに何なのかしら