【d!】新しいお父さんはわたしを愛でてくれますか

5話 ページ5

《ロボロ視点》

｢ごめんねぇ呂戊太さんとA。仕事行くからまた明日ね」

夜になり外も暗くなってくると、少し派手目の服を着て香里奈がそう言った。
仕事……あ、そうやん。香里奈確かキャバ嬢なんやったっけ……
一応結婚もしたんやし内心複雑やな

でもひとり親でお金を稼ぐためって言ってたし止める権利なんてないしな


Aちゃんは見向きもしない。普段からあんな感じなんやろか……


でもこれからこうやってAちゃんと二人になることもある訳やし少しずつ
慣れてかんとな


｢Aちゃんは、好きな事とかあるん？」

俺が聞くと、Aちゃんは少し困惑したような表情になった。
聞かん方が良かったんか...?

｢特にないよ。なんで？」

理由は特にないんやけど……あったら一緒に出来るかもしれんし……


｢別に理由はないで。後、ロボロって呼んでな」

これは俺が実況者として活動する時の名前だ。まぁAちゃんも俺らの事
知らんやろうしこっちの方が分かりやすいんよ


｢じゃあ私はAって呼んでね。ロボロ」

そう言うAちゃんの顔は、先程の困惑の表情から少しだけ笑顔になったように見える。
A……か。


｢Aは好きな曲とかあるん」



｢TRIGGEって言う曲だよ。実況者？の人の曲。学校のお昼の放送で流れたの」

ん？ん？え、それって俺らのOPちゃうか？
いや、まぁ違う曲かもしれんしな...?


｢じゃあ、好きな食い物とかは？」


｢あるよ。カレー？ってやつ。給食で出るの。なんだか体が暖まる」


｢あ〜分かるで。俺も昔よう食べたわ。家のカレーとまた違うやんな」


｢家では……食べた事ないよ。だってみんな家で食べるのってカップラーメンくらい
でしょ？」


俺はAの発言に絶句してしまう。カップラーメン……それに本当に普通かのように
聞いてくる。
香里奈は本当に……Aの事愛してるんよな...?
じゃあなんでご飯すらまともに出さないん？


この時から、俺は少しずつ香里奈に疑いを抱くようになって行った

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