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#たなっちの場合
ぼーっとする意識の中で、私の名前を呼ばれてハッとした。
た「A、大丈夫?」
『たなっち……』
私は反発的に名前を呼び、力の入らない体を起き上がらせようとする。
…体が重い。
そんな私に対して、たなっちは真面目な顔をして肩に手を置く。
た「無理して起きようとしなくていいから」
『あ…ごめん』
たなっちは黙ってぬるくなった冷えピタを取り替えてくれた。
せっかくの休みの日なのにわざわざ申し訳ない。
仰向けの状態だからか、自然と瞼が重くなっていった。
そんな中、今でも静かに見守ってくれるたなっちを見つめる。
た「あのさ」
たなっちが私の視線をキャッチして、ゆっくり口を開いた。
た「…なにみてるの? 」
『え、いや、』
た「目がトロンってしてるから変な気分になっちゃうよ?」
フッと静かに笑ったたなっち。
ドキッ、と鼓動が跳ねる感覚がした。
た「ま、冗談だけど」
たなっちはそう言ってから頭にぽんと手を置いて、優しくおやすみと呟く。
顔が熱くなっている感覚を感じながら、私は眠りにつくのだった。
#やふへゐ先生の場合
や「はい、熱測って」
体温計を渡されて、私はようへい君の指示通りに体温を測る。
ようへい君が私の家に来てから、ようへい君はずっと傍にいてくれている。
HAPへ行かなくて大丈夫なのかな。
風邪移ったりしないかな。
そんな不安を抱えつつも、私は看病してくれるようへい君に任せっきりだった。
よ「お、ちょっと下がったじゃん」
『よかった…』
よ「でもまだ熱あるから安静にして。気持ち悪くなったりしたらちゃんと言いなよ?」
『ありがとようへい君』
よ「お易い御用よ」
いつもの騒がしい私達とは違った、おっとりした空気が流れている。
私は小さなソファに毛布でくるまって座った。
すると、スマホのバイブ音と共にようへい君が惜しんだ表情をする。
よ「あ、やべっ」
「だいち君からだ…」と、通話の表示が出されたスマホをヘラっと見せた。
皆に内緒で来てたんだ。と、少し乙女心がくすぐられる。
ようへい君がだいち君との通話を終え、私の隣に座る。
よ「内緒にしたかったなあ…」
『そりゃバレるよ…バカだねえ』
よ「バレなきゃいいんだよね?」
『え?』
唐突に目を合わせ、意味不明な事を私に聞いてきた。
すると、一瞬だけ唇に柔らかな感触が伝わる。
よ「これはバレないでしょ?」
『…ぇ』
ようへい君は静かに笑った。
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もも - リクエストなんですけど。メンバー自身が吐いちゃった時の反応書いて欲しいです!(夢主が看病する感じです!) (6月19日 4時) (レス) id: ff5a49750f (このIDを非表示/違反報告)
まるあ。(プロフ) - 雛*トマト推し*さん» 癒しになれて嬉しいです(笑) (2020年3月11日 14時) (レス) id: db631e6a1f (このIDを非表示/違反報告)
雛*トマト推し* - お久しぶりですー!!!ふぁー!!畑ー!ヤバーイ!!!照れる!キスマ!テンションガオカシイッテ? キニシナイデクレ… テツヤテンションダカラサ…。(°∀° ) (2020年3月10日 23時) (レス) id: 477d69c1a8 (このIDを非表示/違反報告)
まるあ。(プロフ) - りゅうのさん» お久しぶりです(*^^*)ありがとうございます (2020年3月5日 14時) (レス) id: db631e6a1f (このIDを非表示/違反報告)
りゅうの - おっ久っしぶっりでっごっざいっますぅー♪ こっうしっんふぁっいとですぅー♪ (2020年3月5日 14時) (レス) id: c1d7a041f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるあ。 | 作成日時:2019年10月2日 22時