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問題集を閉じて、1度大きく伸びをする。

教室の時計を見れば、18時半を指していた。

通りで外がくらいわけだ。

休憩がてらカバンから日記を取り出してペラペラとめくる。

よく三日坊主にならなかったな…これも愛の力ってヤツ?

……とか言ってみたりして。

日記を閉じて机に置いた腕に顔をうめ、顔だけ動かして右をむく。

もうほんとにこの席ともお別れか

朝も言ってたけどやっぱり寂しい。

いつだったか宮くんに、今のままでいいって言ってたけど、

この席が終われば、その今のままの関係というのは

“隣の席のクラスメイト”から、

“クラスメイト”に戻る。

それはちょっと


「嫌だな…」


今のままでも幸せって思うのは本当

でも、今の今のままから変わるのは嫌

角名くんが好きなのも本当

ずっと、今のままでいいって思うのは…

右を向いていた顔を戻して再び、腕に顔をうめる

宮くん、やっぱり私はもう十分に欲張りだったよ。


「席替え、したくないなあ…」


呟いた直後、ガラガラと音を立てて教室の扉が開いた。

驚いて顔を上げて扉の方を見ると、そこに居たのは


「角名くん……?」


「やっぱりAだったんだね。勉強?」


「あ、うん。勉強

角名くんはなんでここに?部活は」


「テスト前だから自主練も禁止で18時間まで。

そんで帰る時に教室の方見たら、まだ明かりがついてたからもしかしてって思って来てみたんだけど

よかった、Aまだいてくれて」


「もしかして、何か用事あった?」


「うん、そんなとこ」


角名くんが扉の所から、私のところまで歩いてくる。

さっきまで暗くてよく見えなかった角名くんの顔が電灯の下にたつことでよく見えた。

見えた顔はすごく真剣で、目を離せなくなる

私の席の横で立ち止まると、「A」と私の名前を呼ぶ。


「俺、Aのこと ____ 」

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作者名:木瀬 | 作成日時:2020年6月27日 10時

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