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11月28日 水曜日

ついに、ついに角名くんと勉強する日が決まった。
明日だ。まじか。
少しでも角名くんの負担を減らせるようになるべく勉強しておこう。
うん、それしかない
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「角名ぁ!英和辞典貸してくれ!」


「はぁ?」


1限目が終わった瞬間宮くん(金)が1組に駆け込んでくる。

ほんとに終わった瞬間だった。

宮くんクラウチングスタートでもしたのかな。

「治にいえばいいじゃん」


「アカン。あいつは貸してくれん

それに寝てるあいつを起こすんは命懸けや」


宮くん(金)の言う宮くん(銀)を見れば心地よさそうに寝ていた。

確かにこれは起こせないかもしれない。

というかこれ、1限目終わるより前に寝始めてるでしょ。


「なっ、頼むて角名」


「えー…でも侑に貸したら絶対変な単語にライン引くじゃん」


「引かへん!引かへんから!」


「その言葉前も聞いたんだけど」


確か、宮くんのクラスの英担は生徒指導部の鬼教師として名高い先生だ。

なるほど、ここまで必死になるわけだ。


「なんやねん!心狭いな!

あ!A!」


「はーい、Aです」


「頼む!英和辞典貸してくれ!

角名はケチやから貸してくれへんねん」


「誰がケチだって?」


「本間のことやん!A頼む!このとーりや」


「いいけど」


「ほんまに!?」


「ほんとに。ただ、「侑」


私が言い切る前に、角名くんが宮くんに英和辞典を差し出した。


「ええの!?」


「うん。でもほんとに次ライン引いたらもう貸さないから」


「分かってるって!じゃあまた終わったら返しに来るわ!」


そう言って宮くんは結局角名くんの辞書を手に教室に戻っていった。

嵐みたいだったな。


「さっき遮ってごめん」


「え?あー全然いいよ。角名くんやっぱり優しいよね」


「Aが侑に貸すのが何となく嫌だっただけだけどね」


「私が?」


「うん

あ、そうだ。A明日の放課後空いてる?」


「うん、特に何も無かったはずだよ」


「じゃあ、一緒に勉強しようよ」


「勉強…」


「うん、この前言ってたヤツ」


あれだ!!!!


やばい、今日放課後死ぬ気で勉強して少しはましにしておかないと。


て言うかすごい。ほんとに角名くんと勉強するんだ。


なんかまだちょっと現実味がない。


席替えまで残り 2日

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作者名:木瀬 | 作成日時:2020年6月27日 10時

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