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11月19日 月曜日
ふと思った。角名くんは関西弁を話さない。
自分自身も関西弁を話さないから失念していた。
角名くんに対する謎の親近感の正体はこれだったのか。
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「そういえばさ、今思ったんだけど角名くんって関西弁話さないよね」
「今更過ぎない?」
「正直私もそう思う」
「俺、中学まで関西じゃ無かったから」
「あ、そうなんだ。稲荷崎にはなんで?」
「バレー推薦で」
「すっご、中学から全国区だったんだ」
他県、しかも強豪から推薦が来るレベルとは…
改めて角名くんの凄さを感じた。
「Aは?」
「私?」
「Aも関西弁話さないけど元々は関西じゃなかったの?」
「あ、そういうこと。
うん、私も中学まで間は神奈川に居たんだよ。」
「そうなんだ。でも神奈川から兵庫ってかなり遠いね」
「そうなんだよね
でもお母さんの仕事先が兵庫に変わっちゃって、お父さんは単身赴任だし
有難いことに神奈川県内の高校からいくつか推薦も貰ってたから実はかなりギリギリまで悩んでた
けどやっぱり高校でひとり暮らしは厳しいかなあって思って、一緒に引っ越してここ受けたの」
「推薦は部活の?」
「そうそう、私中学ではバスケやってたの」
「なんかすげえ想像出来る」
「え、ほんと?」
「ポジションはどこだったの?」
「PG。一応キャプテンもやってました
角名くんみたいに全国区で結果残して活躍って程じゃなかったけど、
全中には出たことあるし県内の強豪から推薦来るくらいには強かったんだよ。」
同期のエースだった友人はその神奈川の強豪に進んで今では月刊バスケットボール(通称月バス)で特集を組まれるほどの有名選手だ。ほんとにすごい。
「稲荷崎で女バスには入ろうとは思わなかったの?」
「んー…それも考えたけど、せっかく今までと違う場所に来たんだから新しいことしたいって気持ちもあって。
悩んでる間に生徒会にも誘われて、あれよこれよという間に入部してた。」
「まじかよ」
「まじです
でもまあ、後悔はしてないけどね」
バスケは今でも好きだし、凄くやりたくなる時もある。
でも、生徒会の仕事も凄くやり甲斐があるし楽しい。
それに、生徒会に入った事が切っ掛けで、角名くんの優しさにも気づけたから。…なんてね。恥ずかしいことは考えるもんじゃない。
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作者名:木瀬 | 作成日時:2020年6月27日 10時