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｢あ｣
今しがた先生から受けとった書類を抱えて生徒会室から出ると、ちょうど廊下を歩いていた角名くんとばったりと会う。
角名くんも私に気づいたらしく、｢Aさん｣と言葉を発した。
｢生徒会長信任おめでとう｣
｢ありがとう｣
｢Aさん、の演説すごい良かったよ｣
｢ほんとに？｣
｢うん、なんかAさんらしくて｣
｢やった、ありがと｣
褒めて貰えるとやっぱりうれしい。少し照れくさくもあるけれど。
無意識に口角が上がり、顔がほころぶのを感じる。
角名くんの方を見れば、口元に手を当てて咳払いをしていた。
｢喉の調子悪いの？｣
｢あー、いや。うん、大丈夫｣
｢そう？ならいいけど…｣
｢ありがとう
それより、その書類なんのやつなの？｣
私が胸に抱えている書類を指さす。
よくぞ聞いてくれた
｢体育館にクーラー導入するためのやつです｣
｢マジで｣
｢マジマジ。
あ、まさか本当にやるとは思わなかった？｣
｢いや、まあ…引き継ぎはまだったし｣
｢ふっふ。私約束は守る主義ですから
まあ確かに会長の正式な引き継ぎはまだだけど、クーラーは早ければ早い方がいいかなって思って
元々先生方の中でも熱中症とかを危惧する声が多かったそうだから、多分近々導入されるの思うよ
あっ、でもテストの方は無理だった…｣
｢え、それも言ったの？｣
｢もちろん。私もテスト嫌いだし。
…コテンパンにされたけど｣
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作者名：木瀬 | 作成日時：2020年6月27日 10時
