451話 蜜柑の処遇 ページ2
囚われの身となったのはAだが、蜜柑に対する監視の目が緩やかになったのかといえばそうではない。
初校長が求める盗みのアリスを抱えた蜜柑は、中校長である志貴の管轄ながら初校長サイドからの監視を受けて生活している。
蜜柑「ウチ、のばらちゃんを助けたい!」
悲痛な面持ちで中等部校長室に入ってきた蜜柑は、志貴に縋り付く。
ペルソナのアリスを受けて重症なのばらから、腐食のアリスを取り除けばのばらを助けることができるから。
しかし、できぬ事情がそこにはある。
志貴「蜜柑。今君がのばらの中の腐蝕のアリスを盗るれば、今後初校長の中のアリス
蜜柑「でも…っ。のばらちゃんがあんなことになったのはウチのせいなのに、
涙を溜めながら訴える。だが、蜜柑が一度でも力を使うと今まで拒否し続けた要求を受け入れざるを得ない。さらに、
志貴「君が目立つ動きをすれば、現在迷宮棟で過ごすAの身が危ぶまれることになる。君が何もしなければ、Aが無駄な処罰を受ける必要はなくなるんだ」
Aを出せば、蜜柑にはどうしようもできない。囚われてからの彼女の身を案ずる蜜柑には重たい言葉だ。
項垂れる蜜柑の肩に手を置く。志貴は励ますように言った。
志貴「のばらのことは我々が何があっても助けてみせる。だから蜜柑。今は辛いだろうが…」
グッと拳を握って地面を見つめる。
蜜柑「A……」
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ゆちゃ(プロフ) - 更新待ってます! (2022年9月30日 0時) (レス) @page4 id: 7447c314b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:宮本 真由美 | 作成日時:2021年3月20日 12時