紅蓮の君とはじめの四歩

199話 恋合戦 ページ50

ルイ｢翼くんってばー何でそんなに逃げんのよ〜｣


翼が渾身の影踏みでルイの動きを止めている。


ルイ「もー照れちゃって！かわいい〜☆｣

翼｢照･れ･て･ね･え･よ。来んじゃねえてめー｣

ルイ｢素直じゃないんだから〜☆｣


ルイの一方的な片想いだそう。


A｢翼ってモテるんだな〜｣

翼｢おいA！聞こえてるからな！｣


ほらほら。集中しないとやられるよ。


翼｢ぬおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!｣

A｢蛍。指揮は任せた｣


翼を今にもおそいそうなルイの顔面を蹴りあげる。鼻折れてたらごめんね。

遠くまですっ飛ぶルイ。


A｢全く。あたしにキレイな顔蹴らせないでね｣

翼｢自分から蹴っといてよく言う｣

A｢だって、あたし達にこんな所でウジウジしてる暇ないんだもの｣


そうだよね、蛍。


蛍｢蜜柑。今から死ぬ気で無効化に集中して。よーちゃん、あともう一息がんばって。Aは肉体攻撃で。そこのカゲおきろ。働け｣


蛍はその天才的頭脳で的確な指示を出す。


蛍｢ルカぴょん。行くわよ、棗君のところへ｣


流架…？

流架が、覚悟を決めた顔をする。


ルイ｢この…え｣

かまいたち｢わ、何だ…!?｣


ルイとかまいたちの周りに百匹を超えそうな数のねずみが集まる。


流架｢争い事で動物達に協力してもらうなんてどうしてもやりたくなかったけど、でも今回だけは…。これ以上みんなが傷つくのを少しでもふせぎたいから。
棗を絶対にここから連れ出したいから…｣


流架の覚悟があたし達の背中を押す。

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