【学園アリス】 名のない巫女 14

盆が終わる ページ32

大量の浮遊霊が空に帰った今日この頃。


ちょーねみぃ。


夜中にやるもんじゃないよな〜。来年からお昼に帰ってもらいたい。


木の根元をすみかにしてもう半年がすぎる。


現在ツクツクホーシに囲まれて眠る夜。


うるさい。


A「もう見つかったか」


セミの大合唱は、何も異性を見つけるためじゃない。


「調教済みとは驚きですね」


A「ひどいわね。みんなの好意よ」


動物は逃げていく。


事前に伝えていたことを、彼らはきちんと守ってくれている。


あたしがそばにいる方が危ないもの。


A「今日はずいぶんと少ないじゃない。余裕ってわけ？」


腹立つ。


「まさか。学園1の脱走者相手に、1人で来るはずがないでしょう」


なんかあたしの肩書きしょぼくない？


A「じゃあ他のみんなはどうしたの？」


魂の気配はない。


はったりじゃないと思うけど、遠くから相手してあたしが負けるわけがないのに。


「弱点をつけ。久遠寺初校長からの伝言です」


弱点？この森に他の人間なんていないけど。


一緒にいたのは動物だけだし…


「さて、あなたの友達は火に強いかな」


鳥が全て飛び去る。


足の速い鹿が戻って来た。


A「最低！」


森に火を放ちやがった。

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