馨ちゃんからの質問 ページ8
物心ついた時には、その力の全てを知っていた。
初めに私を化け物と呼んだのは母親。次に、幼稚園の友達。三回目は、強盗犯を捕まえた時。
「お前は化け物だ！」
手錠をかけられた男は、苦し紛れに叫んだ。
その時、その力の怖さを知った。
記憶を見るという力は、普通ではないらしい。
「その力はね、アリスというんだよ」
「君の力は素晴らしい」
「警察の役に立つなんて、誰にでもできることではない」
「アリス学園においで。珍しいアリスだ。君の力を育てよう」
大人は口々に、私を褒めた。けれど、残念なことに、記憶は嘘をつかなかった。
学園に来たって、それは変わらなかった。
自分を守るために、できる限りの生徒の嫌な過去を盗み見た。
見て、見て、見て、見て。
誰にも屈しないだけの情報をかき集めて、そして、
A「テストだるい！」
「いいじゃない。寝れるよ」
A「あ、ホントだ」
Aをみつけた。
誰かの記憶で、彼女が高等部の中心だということは知っていたから、揺すりとしては最高の情報をもらえると踏んで、
彼女の記憶を見た。
馨ちゃん「なんや、これ」
ただの記憶の残滓に触れただけで、膨大すぎる量の記憶に飲み込まれた。
ありえない。ただの人間が、しかも子どもが、人の一生より濃い情報を持っているはずがない。
馨ちゃん「あなた、本当は何歳なの？」
学園に来て、初めて興味を持った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神奈 - めっちゃ面白かった(*3*)/ 更新待ってます(´・д・｀) (2017年8月1日 2時) (
レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
たるちゃん(プロフ) - 毎回更新あるたび読んでます(*´ﾉ∀`*)更新たのしみにしてます！ (2017年4月11日 1時) (レス) id: b53d7feda8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：宮本 真由美 | 作成日時：2017年3月18日 9時
