記憶操作のアリス ページ15
机に手を当て目を閉じる。
浮かんで来たのは、ようがトイレに行っていた記憶。そこには、ちゃんと黒い筆箱があった。ようが席を立つ1分ほど、筆箱はどこにも移動していない。
そして、ようが机に戻ってくるその瞬間。机から筆箱が消えた。
「どうなんだよ」
不機嫌な顔で、ようが答えを求める。
正直に言うしかないか。
馨ちゃん「あんたの筆箱は確かに机の上から消えた」
「だろ！犯人はちかだ！」
馨ちゃん「あわてんな。続きはまだある。あんたの筆箱は」
人の輪から離れ、ロッカーを開ける。ある男、ようのロッカー。中には、無造作につめこまれた教科書と、黒い筆箱が。
「あった！オレの筆箱だ！」
やっぱりな。
馨ちゃん「机の記憶を見てる時、筆箱が消えたと共にロッカーのふたが閉じられた。多分、透明化のアリスのしわざやろ」
この教室に透明化のアリスを持っている人間はいない。そうなると、他クラスか、他の学年か。
探し出すのは困難やろな。
子ども達は良かったね〜とようを囲んでいる。ただ1人を除いて。
馨ちゃん「喜ぶのより先にちかちゃんに謝り」
それが筋ってものよ。
ようは目をそらした後、ちかちゃんの前まで進む。
「悪かった、ちか」
ぶっきらぼうな「ごめん」に、ちかちゃんは笑顔を見せた。
「いいよ」
こんなことで仲直りが成立するんだから、子どもって簡単。
「五十嵐さん」
その声に、私はどれだけ拒んできただろう。
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神奈 - めっちゃ面白かった(*3*)/ 更新待ってます(´・д・｀) (2017年8月1日 2時) (
レス) id: 0a57facb33 (このIDを非表示/違反報告)
たるちゃん(プロフ) - 毎回更新あるたび読んでます(*´ﾉ∀`*)更新たのしみにしてます！ (2017年4月11日 1時) (レス) id: b53d7feda8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：宮本 真由美 | 作成日時：2017年3月18日 9時
