【学園アリス】名のない巫女 9 (ページ4)

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時間の波ページ4

蜜柑ちゃんを確保できたことはいいけど、時空の揺れが荒れ、あたしたちは何もできなくなる。

泉水が死ぬ姿を、じっと見ることしかできなくなる。

まだ太陽が顔を出さない朝と夜の境目。

初等部校長室には、3人の男がいた。

泉水にとって、思いがけない3人目は、零。

零「ねぇ、先生きいて。校長先生が、ぼく、もう地下牢(あそこ)に戻んなくてもいいって。僕のアリスのことも褒めてくれたよ。すごいんだって、僕のアリス。「お仕事」ってゆうので、ぼくのアリス好きに使っていいんだって」

興奮気味に話される言葉は、悪夢への誘い。

むせかえる香の匂いが、異様さを高める。

泉水「校長・・・あんたこの子に何をした。この子に、何をさせるつもりだ。下衆野郎」

しかし、零にとっては、何故泉水が怒っているのか分からない。

褒められたのに。これからスゴイって言われるのに。

一番スゴイといって欲しい人は、訳も分からず怒っている。

泉水「帰るぞ、零」

掴まれた腕が痛い。

また、あの場所へ帰らなければならない。

零「や・・・やだぁ・・・」

泉水もまた、若かっただけ。怒りで血がのぼり、子どもの幼さを考えられなかっただけ。

本当に不運な事故だったの。

零。気に病まないで。あなたは、泉水の分も、幸せにならなくてはならないんだから。