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4月1日

「今日仕事行って帰ってきたらご飯作って待ってるから！」

『行ってきます』

「行ってらっしゃい！」

いつもどおりイソク君を見送って、自分も仕事に向かった。

大事な話で頭がいっぱいだったが記念日でもある今日は張り切って仕事をこなし、早めに帰って豪華にご飯を作ることにした。

いつもは7時過ぎまでかかる仕事を6時には終わらせ、急いで帰った。

張り切って夕食を作った。

部屋も綺麗にして、キャンドルなんかたいた。

あとは、彼の帰りを待つだけ。

なのに、全然帰ってくる気配がしない。

いつも気にならない時計がやけにうるさい。

プルルルル…

この一本の電話が今日の期待をぶち壊すなんて考えてなかった。

イソク君から電話がかかってきた。

なぜか嫌な予感しかしなかった。

「もしもし…」

『あのさ、帰らないから』

「あーうん。分かった。気をつけてね」

『いや、そうゆうことじゃなくて』

「え？」

『俺たちさ、別れよう』

「ちょっと待っ『俺の荷物捨てていいから』

プチ。ツーツーツー…

切られた？

言いたいことは山ほどある。

なんで別れるなんていうの？

こんな時に今日はエイプリルフールだということに気づく。

「嘘かもしれない…」

一人で呟く。

少しの期待をこめてもう一度掛け直す。

『おかけになった番号は…』

あれ？なんでだろう。

嘘だよーっていって笑ってよ。

帰ってきて３年半だねって祝おうよ。

理由もわからないのに
涙は思ったより早い速度で流れていく。

部屋に一人自分の泣く声が寂しく響いた。

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