水に咲く一輪の花となれ② (ページ9)

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幼馴染み３人ページ9

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『…』

遙「っA！！」

風呂上がりで髪を拭いている時に渚からのメール、そして遙からの電話。立て続けに起きた2人の行動に思わず『っはぁぁ…』とため息が出る。

遙はあたしのこと、どう思ってるんだろ…
ライバル？ただの水泳バカ？変わり者？
どれも違う気がする…

『……っぁ』

不意に顔を上げて、すぐに視界に入ってきた物にある記憶が蘇る。

遙「Aは、何が好きなんだ？」

『っは！？何よいきなり…っ』

遙「え、だから、誕生日プレゼント。欲しいんだろ？」

『あ、あーうん！え、えーっとね、んー、…思い浮かばない』

遙「だろーな。じゃあ決まったら教えて。買ってやるから」

『うん！それにしても、毎年毎年ありがとね』

遙「…別に、Aはいいんだよ」

『色々ありがとね、あ、遙は何がいいの？』

遙「…ない」

結局決まらなかったあたしに、遙なりに考えて買ってくれた誕プレ。それこそが、3種類の写真を入れられる写真立てだった。あたしはその写真立てに、家族とリレー仲間と遙達といった、それぞれの写真を入れて飾っていた。

『っ？』

ピコンっと鳴ったスマホにすぐ視線を落とすと、遙からのメールだった。

【ありがとう、A。ちゃんと寝ろよ】

『…』

【早く家帰って寝ろ】…っと。

＿＿＿＿

翌朝、遙にあれほど言われたら仕方がないと無理矢理体を起こす。渚にも、心配をかけすぎると後々面倒くさいのは昔からの慣れだ。

『あ』

真琴「あ、おはよ、A」笑

遙「おはよ」

『…ん、おはよ』

いつものように支度をして、外に出ればもう2人が階段の上で座って待っていた。

『心配かけて…ごめん』

真琴「いいよいいよ、Aこそ、部活に参加しても大丈夫なの？」

『うん、…ただの貧血だったから』

真琴「そっかぁ、」

こうして、またいつものように並んで、歩くスピードを落としながら3人で部活へと向かった。