水に咲く一輪の花となれ② (ページ45)

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お互いへの【感謝】ページ45

『疲れたぁ…』

家に帰り着くなり、ベットへダイブ。そのままの勢いで寝そうだったが早速スマホが鳴る。

御子柴「あ、繋がった！お疲れ！」

『相変わらず元気ですね』

御子柴「まーな！」

遠征で疲れてるはずなのに、何故かこの人だけはそれすらも感じない…バケモンかこの人は…。

御子柴「まぁひとまず君には、改めてお礼を言いたくてね」

『お礼？あたし何かしましたっけ？』

御子柴「あぁ、いいものを見せてくれたからな。ほんとに、松岡の事をお前たちに任せてしまいすまなかった」

『いいんですよ、こちらが勝手にしたことですから』

御子柴「いいや、あの時Aちゃんに言われて改めて考えさせられた。俺はリレーをする上で1番大切なことを忘れていたようだ」

『…』

御子柴「俺は松岡の気持ちをちゃんとわかってやれなかった。部長として情けない話だ」

夏也「俺は先輩として、部長として…お前の力になりたい」

『…部長とか先輩とか別にいいんですよ。御子柴さんは御子柴さんであるべきです』

御子柴「！」

『あたし、御子柴さんに出会えてよかったと思ってるんですよ？意地も張ってないです。御子柴さんがいなかったら、今あたしは競泳部に入ってないので』

あんなにしつこく電話してきて勧誘ばかりでいつも元気で優しくて…押しに負けたからこそこにいる。

『お礼を言うのはこちらの方です。改めて本当にありがとうございます』

御子柴「っ、…君は本当に強い子だな」

『そうですか？』笑

御子柴「あぁ。やっぱり好みだ」

『それはありが……はい？』

聞き間違いかと思いすぐさま反応したが、彼の勢いは止まらず…

御子柴「見た時からずっと気になっててな、松岡から話を聞けば聞くほど可愛いだけでなく強い心を持っているたくましい子だった」

『あ、いや…その、』

褒めになれていないあたしは、照れるどころか耳までかぁ～っと赤くなるのが分かった。

御子柴「やはり鮫柄学園に『だから男子校！！』ならば男装という手がある！」

『！そんな手段取りたくもないです！』

御子柴「またまたぁ」

『冗談はもうよしてください…ったく、お互い疲れてるんですから、もう寝ますよ！』

御子柴「っははは！照れてる顔を見れないのが残念だが、そうだな、Aちゃんに何かあったら俺も困るし、寝るか」笑

『……そうです、寝ましょう』

やはりこの人と話すとろくな事ない…