忘れ去りたい記憶 ページ5
＿＿＿＿
どうにもならない記憶。
それは突如としてやってくる。
そんな記憶を頭の奥の奥に追いやり、いつものように過ごそうと頑張っても、結局空回りしてしまう。
＿＿＿現在、屋上のプール。
笹部「おらA！！なまってんじゃねーぞ！！」
『っ、…』
遥たちはリレーの引き継ぎをメインに。
あたしは個人の種目の飛び込みをメインに。
それぞれの課題と向き合いながら、今日も厳しい指導を受けている。
笹部「っし、休憩に入るぞー」
渚「っやったぁ！」
真琴「疲れたぁ…＿＿？A？」
夏渚「ほらA！もっともっと泳ごーよ！」
『…』
思い出したくもない記憶。
この前の墓参りの時に吹っ切れたはず…
『っよーし！遙たちよりももっと速くなるぞー！』
3人「おー！！」
『っ、』
なのに、いざリレーというものを見てしまうと、ついつい思い出してしまう。
真琴「っちょ、A？！」
『！…ぇ』
真琴「っはぁぁ、よかった。大丈夫？ぼーっとしてたけど…」
笹部「悪い、厳しくしすぎたか？」
『あ、いや…なんでもない、大丈夫だから』
渚「ほんと？ほんとにほんと？」
『っ…うん、ほんとにほんと』
そんなわけが無い。
リレーなんて見るだけで疲れる。
笹部「あーおい！A！……あいつ」
渚「休憩しないのー？」
むしゃくしゃしている時こそ、泳ぐことしか出来ない。勝手にプールに飛び込んだ後、みんなに呼ばれる声がしたけど、全てを無視してまで泳ぎ続けた。
こんなあたしは、弱虫だろうか。
ただの強がりだろうか。
…どちらも当てはまるのだろうか…、
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作者名：Fighter x他1人 | 作成日時：2019年9月21日 3時
