水に咲く一輪の花となれ② (ページ32)

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優先順位は仲間ページ32

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『リレーって何が大切だと思いますか？』

突然質問されたみんなは、各々首をかしげてみたり、頭をフル回転させてみたりと、ちゃんと考え出す。

笹部「そりゃあつなぎだろ」

御子柴「俺はチーム力だな」

江「人数？」

天方「タイムかしら？」

考えた末、皆それぞれが回答を述べる。

『みなさんが言うように、それらも大切だと思います。でも、あたしは【仲間の存在】だと思うんです』

全「！？」

久々に会って、お互いが変わったことを意識したが、それでも凛はあたしのことを御子柴さんによく話している。つまり、凛の人を思う気持ちは変わってない。

さっきのメンバー表といい、凛のあの泳ぎといい…多分凛は、リレー選手の中から外されたことで苛立ちを持ち、どこかに行ってしまったんだろう。それで遙たちは凛が心配で引き止めに行ったとあたしは思う。

『どんなに大事な大会だろうと、どんなに頑張って手に入れたトロフィーだろうと、あたしの優先順位は【仲間】です』

笹部「！A…お前、」

『お願いします！行かせて下さい！』

天方「でも…」

『説教も罰も後で受けるから！…っお願いします！』

御子柴「…」

大切なものを教えてくれたかつての仲間。
大事なものをくれたかつての親友。
それらのためにあたしは必死こいて頭を下げた。

笹部「頭を上げろ、A」

『！』