水に咲く一輪の花となれ② (ページ29)

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行方不明ページ29

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御子柴「これを見たらわかるはずだ」

そう言われて渡されたのは今回の大会に出場するにあたって、種目別のプログラムとメンバー表。

『なんで…』

出場する選手たちが載ってあるプログラムの紙には、リレーの項目も存在する。御子柴さんが渡してきた時のページはまさにリレーのメンバー。

『凛が…いない』

あの夏祭りの夜。
あの思い出の場所で凛は迷っていた。
それでもあたしの意見を聞くと、翌日リレーに出場するって江から聞かされた。

それなのに、リレーのメンバー表には凛の名前が記されておらず、知らない人が凛のポジションに記されていた。

『御子柴さん、どーゆうことなんでか…これ』

御子柴「言っただろ。チームのための決断だって」

『だからその経緯を知りたいんです、教えてください』

御子柴「…あいつは自分のリレーチームを見ていない。なにか別のものを見ている。ベストメンバーで試合に挑む、それが鮫柄学園だ」

『…』

自分のリレーチームを見ていない、なんて凛らしくもない。あいつはいつも仲間思いだったのに…一体どーゆう事なの？

江「A先輩！遙先輩たちが！」

慌てた様子で来た江。その後、遙たちがいなくなったと息を切らしながら言った。そーいえばさっき、ドタバタとみんながどこかへ行くのを見かけたな…

『とりあえず電話してみるから』

慌てている心をなんとか落ち着かせ、怜に電話をする。2、3回のコールで怜は出てくれたが、電話越しで聞こえる声はどこかで走っているような声が聞こえた。

怜「あ、A先輩！あの、っもう少しで戻るので！」

『っえ、ちょ！……切られた』

江「えええ！？」

一方的に言われ、怜はすぐに電話をブチッと切ってしまった。今みんなはどこにいるわけ？…この会場内ではないってこと？

江「なんて言ってましたか！？」

『すぐに戻るからって言われて切られちゃった…』

江「えぇ！？」

あの息の荒れ方…走ってるとはいえ、やっぱりこの会場内ではなく、外にいるはず。

部員「部長！松岡が更衣室にいません！」

『！…凛…』

嫌な予感しかしない…、。