泣いたっていい ページ3
渚side
渚「中学生！いいなぁ！」
『…』
渚「ねね！中学校は部活っていうのがあるんでしょ？水泳部はある？！」
『！あ、うん、めちゃくちゃ広いプールをほぼ独り占めなんだから！』笑
真琴「…違うからね、渚」笑
周りを困らせないように…って。
少しでも暗い顔させたら自分のせいだ…って。
『？…このアイス、1口いる？』笑
渚「え！いいの！？」
時々ぎこちない笑顔だったけど、それでもいつも通り接してくれたAちゃんは本当に優しくて強い人。
渚「Aちゃん、今頃何してるのかな」
怜「…すみません、まさかA先輩まで見失うなんて…」
渚「気にしなくていいよ！Aちゃんの事だから、多分家に帰ってると思うし！」
怜「…だといいんですけどね」
渚「…っ心配だからちょっと電話してくる！！！」
『渚！』笑
渚「！っ…」
ケータイを持って番号を打った後、Aちゃんの…あの頃の僕の名前を呼ぶ声が聞こえた。不意に振り向いてみたけど、Aちゃんは当然いない。
渚「…Aちゃん」
ずっと、そばにいられなくてごめんね。
悲しくて辛くて…苦しかったよね。
《メッセージを録音します。ピーっという発信音の後にメッセージをお願いします》
あのね、Aちゃん。
渚「僕、今のAちゃんも好きだよ。ずっとずーっと、どんなに突き飛ばされても悪口を言われても、Aちゃんの痛みに比べればどうってことないもん。…ね、Aちゃん。僕ね、Aちゃんの笑った顔またみたいから、頑張るよ。卒業までに、絶対に笑顔にする！！」
性別違うから、リレーで泳ぐことは出来ないけど、僕だって仲間なんだから、ちょっとずつ頼ってよ、Aちゃん。
怜「どうでしたか？」
渚「繋がらなかった…でも、録音したから」
怜「…聞いてくれてるといいですね」
渚「っ、うん」
泣いたっていいんだからね、Aちゃん。
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作者名：Fighter x他1人 | 作成日時：2019年9月21日 3時
