会場 ページ20
＿＿
『っはぁはぁ、』
真琴「つ、着いたね」
角を曲がり、一直線に進む。
すると少ししたところであたし達は止まった。なぜなら【関係者以外立ち入り禁止】と書かれた看板がたっていたから。
真琴「この時間じゃ無理か…」
怜「仕方ありませんね」
シュンとなる真琴たちに、どうにか見せてあげられないかと考えていると、遙が唐突に「いや、見えるかもしれない」と言い出した。
『っちょ、どこに行くつもりなのー？』
今度は遙を筆頭にあたし達は走り出した。
『え、ここって…』
遙「無理そうか？」
『あんたが言ったんでしょ。ほら、行くよ』
渚「Aちゃん勝負ー！」
『え、まさかのここで…』
と、なんだかんだ言って渚につき合う。
真琴「っはぁ、はぁ、」
『頑張れ真琴ー』
真琴「まさかの棒読み…」
渚「マコちゃんファイトー！」
真琴「っ、…！」
長い長い階段を上り続けること数分。
渚「みんな早く早くー！」
怜「暗いから走っちゃ危ないですよ！」
途中で真琴が膝に手をおいたりしてたけど全員山の1番上までたどり着けた。みんなしてギリギリまで近づく。
真琴「…すごい」
遙「大きいな」
『…』
山の上から見えたもの。
それは人生で久しぶりに見る大きな会場。
そして光に反射してキラキラ輝いているプールだった。
夜景だからなのか、そのキラキラと輝くプールと会場の大きさに思わず言葉が出てこなかった。
真琴「明日、頑張ろうね」
渚「うん！ね？Aちゃん！」
『…そーだね。全力で楽しもう』
怜「はい！」
遙「…じゃ、帰るか」
遙の一言でみんなが名残惜しそうにプールを見たあと、階段をおりていく。あたしはその場に1人で立ち尽くす。
『っふぅ…』
あれが最後のステージだと思ったら、なぜかあのプールが頭にこびりついて離れない。実際、あたしの体も長くは持たないって長崎先生から言われてる。だからこそ、最後くらい競泳にもう一回手を出してもいいかなって始めたんだけど…ね。
真琴「？Aー？」
『っあ、ごめん。今行くー』
渚「Aちゃん早くー！」
ったく。
ほんと渚は元気だな。
『はいはーい』笑
名前を呼ばれて返事をしただけだった。
ただ手を振って歩き出したばかりだった。
真琴「！A！？」
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作者名：Fighter x他1人 | 作成日時：2019年9月21日 3時
