ギリセーフ ページ17
＿＿＿
『っ、あと何分！？！？』
遙「多分、…っ5分、くらい」
『ギリギリだね…っ、スピードあげよう！』
ただ今、遙とあたしは遅刻しそうです。
『あんなに、っ長話するとは思わなかった、し！』
遙「まだAの、話聞いて、ないっ」
『今度話す…っ今はそれよりも！！』
遙「あと、3分！」
『っあー！！見えた！！バス来てる！！』
真琴達がガンガン手を振っている所に、あたしと遙はギリギリの時間に到着。そして『ま、間に合った…』とゼェハァ言いながら声に出すと「お前らなぁ…」と吾朗ちゃんに呆れられた。
真琴「どーだった？」
『…全然。でも、ちゃんと話すって決めたから、時間があればいつか話すよ』
真琴は何も言わずに「そっか」と頷いた。
渚「なになに！？2人してどーしたの？」
『色々とね』
怜「色々ってなんですか、説明になってません！」
『じゃあ野暮用ってことで』
渚「そんなぁ〜」
『はいはいバス乗るよ、ね？』
怜「理由、しっかりと聞かせてもらいますから！」
『…っ分かったから乗って』
朝は遙に折れ、今は怜と渚に折れ…今日は色んな意味で疲れる。
『？』
バスに乗り込み、座ろうとすればスマホが鳴る。
『はい、もしも「御子柴)おはよう！Aちゃん！！！」……相変わらず元気ですね』
そうだった。
この人、声のボリュームやばかった。
それを忘れてたから耳が未だにキーンとなっている。
御子柴「もうバスに乗って向かってる感じか？」
『はい。と言っても、今から向かいます』
御子柴「そうか、じゃあ同じぐらいに着きそうだな」
『鮫柄もまだなんですか？』
御子柴「あぁ、俺達も今から向かうところだ」
なんの他愛もない話。
ただそれをしに電話をかけてきたわけじゃないはず。
御子柴「調子はどーだ？」
『いつも通りです』
御子柴「そーか。向こうで会えたら、少し話でもどーだ？」
『そーですね……では、見かけたら声掛けます』
御子柴「おう！じゃあ後でな！」
『はい、では』
後でな！…って。
もう会う前提じゃん。
渚「今のって御子柴部長？」
『うん、よく分かったね』
怜「会話の内容、声が大きすぎて筒抜けでしたよ」
『あはは…だよね』
なんとも言えない空気になったが、それを無視するかのようにバスは走り出した。
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作者名：Fighter x他1人 | 作成日時：2019年9月21日 3時
