話したいこと ページ14
＿＿＿＿
遙「…仲間だろ。俺も、…お前も」
『！！？』
なかま？ナカマ？
なによ仲間って…あたしが？
うそうそ、ただの聞き間違えでしょ。
遙「俺は確かに途中でAのことを遠ざけてた。でも、お前がいなくなって気づいたんだ…ずっと支えてもらってたんだって」
『っ……うそ』
遙「嘘じゃない」
『遙ー！』
遙「っ、…」
『え、遙？』
郁弥「A、今日は僕達と食べよーよ」
『いや、でも遙一人になっちゃうし』
旭「いいんだよ、今はそっとしておいてやろーぜ？」
みんなあんたのことを気遣ってくれてた。
みんながさけたわけじゃない。
『っじゃあなんで！！…なんであの時あたしを遠ざけたの…なんでみんなを遠ざけたの…？』
遙「自分が、分からなくなったから」
『…遙自身…が？』
そう聞くとコクリと遙は頷いた。真琴はずっとあたし達の会話を、様子を伺いながら聞いている。
遙「話したいことがたくさんあって…ちゃんと話そうと思って」
『それはあたしだけじゃなくて、みんなが揃った時じゃないの？』
遙「先にAに話したい」
『！？…バス、乗り遅れたらどーするの？』
遙「その時は走るしかない」
『いや遠すぎるわアホ』
真顔で考える素振りもなく答えた遙にちゃんとツッコンだところで、結局あたしが折れるしかなった。
『じゃあ真琴。遙、ちょっと借りるね』
真琴「うん、じっくり話しておいで」
『！…ありがと』
幼馴染とは、本当に怖い。
一つ一つの言葉に隠されている、もう一つの言葉。
全てを察した上での言葉にありがたみを感じる。
『っ真琴！』
真琴「？」
『ちゃんと真琴にも話す…だから、その時は…』
“ 話を聞いて欲しい ”
その一言を言い終える前に「わかった」と真琴は笑顔で頷いてくれた。
真琴「じゃ、先に行ってるね」
『うん、また後で』
お互い手を振って、『よし』と遙に向き直る。
『…あたしも話したいことあるから、覚悟してよ？』
遙「！…あぁ、俺もだ」
『んじゃ、時間ないので走って墓まで』
遙「勝負か」
『よーいドン！』
遙「あ、ずるい」
『言い出しっぺだもーん』
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作者名：Fighter x他1人 | 作成日時：2019年9月21日 3時
