【江口拓也】年下だけど貴方の隣にいてもいいですか？

デート ページ7

3年前。



この街で一人の女性が亡くなった。





その女性は村井Aの妹、村井夏海だった。




そしてその女性は俺の彼女だった。



夏「ねぇ、良平さん。今度いつデートに行ける？」





あ、そういえば最近行ってなかったな。



良「ごめん。最近忙しくて、来週なら行けるよ。」





夏「本当！？やったー！じゃあ、頑張ってオシャレしていくね！楽しみ！」





良「うん笑俺も楽しみ。」





かわいい。



デートでこんなに喜んでくれるなんて。



この子を一生大切にしたいな。そう思った。



でも、





そんな淡い想いは儚く砕け散ってしまった。





デート当日



支度が終わってそろそろ行こうかと思っていた時だ。



プルルルルル。プルルルルル。



マネージャーからだ。



良「もしもし。」





マネ「あ、木村さん。すみませんオフなのに。」





嫌な予感がした。



良「いや。大丈夫だけど。どうかした？」





マ「さっき、昨日収録したスタジオから連絡があって、木村さん明日使う台本忘れてませんか？」





良「え、ちょっとまって。・・・あ、ホントだ。忘れてるわ。」





マ「その台本今から取りに行ってもらえませんか？」





良「え、今から？」





今からデートなんだけどな。



マ「はい。すみません。私が取りに行くべきなんですけどいま神奈川の方で打ち合わせしていて。」





まぁ。台本くらいなら。



それに明日ないと困るしな。俺が忘れたんだし。



仕方ないか。



良「そっか。わかった。じゃあ今から取りに行ってくるわ。」





マ「すみません。ありがとうございます。」





俺は電話を切ると夏海にメールを送った。



【ごめん夏海。今からスタジオに台本取りに行かなくちゃならなくて、少し遅れるかも。】



すぐに返信がきた。



【大丈夫！気にしないで！じゃあ待ち合わせ場所で待ってるね。】



良「さて、早く行くか。」





台本を受け取ったあと急いで待ち合わせ場所に向かった。

胸騒ぎ→←安心

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す