【江口拓也】年下だけど貴方の隣にいてもいいですか？

水族館 ページ32

江「どうしよ、すっげー緊張する。」





さっきから心臓が口から飛び出そうなほどドキドキしてる。



かなり早めに待ち合わせ場所に着いた俺はずっと同じ場所を行ったり来たりしている。



勢いで誘ってしまった自分を軽く恨む。



でも、やるしかないよなぁぁあ。



一人悶々と考えていると。



貴「あ、ごめんねー！おまたせ〜。」





急に声をかけられ勢い良く頭を上げる。



江「ぁ、や、ぜ、全然大丈夫ですよっ！？」





慌て過ぎて声が裏返る。



そんな俺を見てAさんは、



貴「ふはっ、ちょ、慌てすぎでしょ笑」





Aさんに笑われたのはショックだけど、その代わりにAさんの笑顔を見れたから良しとしよう。



貴「江口くん結構来るの早いね？」





江「や、そんな、俺も来たばっかでしたし！」





実の所、軽く20分くらい待っていたのだけれど、それは言えない。



貴「そっかぁ。まぁ、予定より少し早いけどいっか。よしっ！水族館楽しもう！」





小さくガッツポーズしたAさんはとてつもなく可愛かった。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿



貴「わっ、クラゲ！かわいいー！」





Aさんのほうが可愛いよ!!



と心の中でツッコミを入れる。



江「クラゲ好きなんですか？」





貴「うん！なんかフヨフヨ泳いでるとこ可愛くない？小さい頃から好きなんだよねぇ。江口くんはクラゲ好き？」





江「好きです！なんか、和みますよね。」





貴「たしかに！時間をわすれちゃうよね笑」





こんなにもはしゃいでいるAさんを見たのは初めてだった。



貴「あ、イルカショーあるみたいだよ？行ってみない？」





江「いいですね！」





二人で歩いていると周りからはカップルに見えたりするのだろうか。



そう考えると顔が熱くなってきてAさんを直視できなくなる。



貴「江口くん？どうかした？」





Aさんが俺の顔を覗き込む。



江「っあ！や、大丈夫です、」





気持ちを諭されまいと顔を隠す。



貴「そう？ならいいけど。じゃ、早く行こ。」





そう言って俺の服を引っ張る。



あぁ、もう、本当に、、、



江「ずるいなぁ、、」





俺は誰の耳にも届かないくらい小さな声でつぶやいた。



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