【江口拓也】年下だけど貴方の隣にいてもいいですか？

距離 ページ29

江口side



最近、Aさんと話せてないな。



あんまり、収録重ならないんだよなー、



そもそも顔合わせづらい。



だって、彼氏いるか聞いちゃったし、しかもいるんだぞ！？



ムリムリムリムリ、



俺こういうのはダメなんだよな、



え、どうしよう。当たって砕ける？



ムリムリムリムリ、



振られでもしたら今後の仕事に支障が出そうだし。



あぁ、もうほんとに、俺って、



江「意気地なしだなぁ、」





貴「誰が意気地なしなの？」





江「ぇ、えっ！？Aさんっ！？」





え、ちょ、聞かれてた！？



貴「ちょっと驚きすぎじゃない？笑」





Aさんはお腹を抱えて笑っていた。



江「Aさんこそ笑いすぎですよ！」





貴「ごめんごめん笑」





あ、久しぶりに会話できてる。



何気ない普通の会話なのに何故か相手がAさんだと鼓動が速くなって、嬉しくてたまらなくなる。



俺、どこまでこの人を惚れてるんだろう。



貴「そうだ、江口くん。今日の夜、空いてる？」





江「え？」





貴「良かったら一緒にご飯でもどう？良平と3人でまた食べようよ。」





やっぱり3人。そりゃそうだよな。



彼氏いるんだもん。



でもいつか二人で行きたい。



今はこのままの距離でいいよ、な？



江「はい！行きます！」





□□□□□□□□□□□□□□□□

貴「んっ！この料理めちゃくちゃ美味しい！」





良「だろ？」





貴「うん！やっぱ良平はいいお店知ってるねー！」





江「あ、ホントだ。めっちゃ上美味い！」





貴「だよねだよね！お酒進むわー！」





良「今日も程々にしとけよ？笑」





貴「気をつけまーす笑」





心なしかAさんも表情は明るく見えた。



何か、いい事でもあったのかな。



貴「あ、ごめん、事務所から電話だ。ちょっと外行ってくるね。」





事務所。その言葉だけで少しだけ心が軽くなった。



やっぱり俺にはこのままの距離がいいのかも。



仲のいい同業者。うん。



良「なぁ、ちょっといい？」





江「…え、あ、なんですか？」





やばい、自分の世界に入ってた。



良「俺さ、」





いつになく真剣な眼差しの良平さんに、少しばかりたじろぐ。





良「お前に謝らなきゃならない事があるんだ。」





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