無音の歌 (ページ7)

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- you side

その日の放課後、授業を終えた僕は速攻で音楽室に向かった。

音楽室は学校の隅の方にあるからだんだんと人とすれ違わなくなる。人影が疎らだ。

そして音楽室の戸を目の前にして何だか緊張してきた。

｢あー…緊張する

ちゃんと謝らないとな～…｣

ドアに付いている窓から少し覗くと楽譜が入っているような棚の前でそれらを読んでいる男の子がいる。

その姿はあの日みたもので僕は戸を開けて一言声をかけた。

｢失礼しまーす…｣

それでも楽譜を見つけたままの彼。それだけ集中してるんだろうか？

ゆっくりと彼に近づいて彼の肩をぽんぽんと叩く。彼は嬉しそうな笑顔を向けてこちらを向くけれど僕だと分かるとすぐさま怯えた顔をして僕の手を払った。

｢ごめんなさい！あの日は無理矢理肩を…｣

そう頭を下げるけれど彼の戸惑う顔は変わらない。

｢悪気はなかったんだよ、ただ場所を聞きたかっただ『あーーー！！！ここにいた！！！』

後ろから入ってきたのは…

『やっと見つけた、パク･A！』

確か、クラス委員の…キュヒョン君

その後ろにいる人は知らない人だった。だけどミノ君を見るなり彼に駆け寄り背中をさすっている。

『ねぇ、軽音部に興味あるん『その前に』

キュヒョン君の言葉を遮って話し始めたのは後ろをついてきていた人だった。

『チャンミナ、邪魔すんなよ…

あ、』

チャンミナ…ということはチャンミンという名前なんだな。チャンミン君はこちらを軽く睨みつけながら聞いてきた。

『貴方、ミノに何をしたんですか』

え、何って…

｢あ、謝っただけです！転校してきた時、ちょっと失礼しちゃって｣

『どう謝ったんです』

｢え…こう頭を下げて…ごめんなさいって…｣

そういうとため息をつくチャンミン君。なんで…？僕なんか間違えた…？

『あー…そういうこと。

A…ミノはね

耳が聞こえないんだよ』

─── …………耳が？