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- Kyuhyun side
車椅子に乗せたAをミノの病室に連れていった。車椅子を押すのはチャンミナで、その横について歩いた。そこから見えるAの横顔は不安げで、ミノのことを本気で心配しているのだろうと分かった。
病室の前にきて、それまで黙っていたAが口を開く。
『キュヒョン君、チャンミン君。
僕、ミノに好きって言われたんだ』
知ってるよ。ミノは君が好き…。
『だけど…僕、答えを濁した
本当にミノの気持ちに答えられるか…わからなかったから』
仕方ない。僕達がそうなるように仕向けたようなものだし、急だったはずだ。Aにとってもミノにとっても。
『でも…少し、決心ついた
あの時、咄嗟に体が動いたんだ。ミノを助けなきゃって。
死んで欲しくなかったんだ、僕のヒョンみたいに。
多分ね、僕の気づかない心の底では
ミノのこと、好きなんだろうなって』
チャンミナは、泣くのを我慢していたようだけど少し涙が頬を伝ってる。
僕はさっきミノが見せてきたメモを取り出して、Aの手にそっと置いた。これは何?と言いたげな目を向けてくるから、しゃがんでは目線を合わせ、説明した。
「これは、ミノが倒れる直前にAが手術した集中治療室の前で書いたんだ。
Aを抱きしめてたから血がついてて、そのメモにもついちゃったんだけど…。
必死に書いて、僕らに見せたんだよ。
多分、……いや、それがミノの本心だよ」
まだ思うように動かない体を必死に動かしてメモを開いて、文章に目を通すA。
その目には涙が浮かんでは滴り落ちた。泣いている姿も、綺麗だなと不謹慎にも思った。
『僕の声がいつか、ミノに届くといいな…』
そう呟いて、Aは病室のドアに手をかけた。
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ゆんく(プロフ) - 最高です!!更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月15日 23時) (レス) id: 66ed5bea11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:カリナ | 作成日時:2017年4月7日 1時