無音の歌 (ページ35)

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- Changmin side

事故から三日が経った。だけど、ミノもAも目覚めないまま。僕がAに、キュヒョナがミノのそばに付いてはいるけれどピクリとも動かない2人に僕達の不安は大きくなるばかりだ。

先生によれば大量に失血したから、その分時間もかかるとの事だったが…ミノは？
ミノは何故目覚めてくれないんだ？

不安が大きくなる中、その病院にいた心療内科医であるユンジ先生に聞いてみたのだ。この病院はミノが襲われた時に運び込まれたところらしく、ユンジ先生にはお世話になったらしい。

『多分ね…。ミノ君はあの出来事から今まで不安や緊張を抱えて生きてきたでしょう。それが溢れちゃったんだと思うわ』

つまり、キャパシティオーバー。
ミノにとって嫌なことがそれだけ、積もり積もってしまったってことだ。

── 僕達はミノを助けてあげられていなかったんだろうか？

キュヒョナと交代して病室に渋々と戻るも声一つ出さず、1ミリたりとも動かず寝続けるミノ。
その顔は嫌味なほど整っていて彫刻のようで。動かないことがそれを助長させ、僕達の不安を煽る。

「早く…目を覚ましてください、ミノ。

Aも待ってますよ」

少し開けた窓から爽やかな風が吹き、ミノの前髪を攫う。その前髪を指先で退けてやろうとした時、スマホが震える。

キュヒョナからの着信だった。

「どうしました、キュヒョナ」

『っ、あ…A…Aが！』

「Aが…？」

『目を覚ましたんだよ！』

Aが起きた？ …よかった。今すぐ向かわないと。

「ミノ、少しだけAに会ってきます。

待っててください」

その手をきゅ、と握ってミノの病室を後にした。そしてAが眠っていた部屋に向かう。

逸る気持ちをおさえて扉をノックして引いた。

「入りますよ？」

そこには少し体を起こして笑っているAがいた。前と同じ、あの顔で。

『あ、チャンミン君！』

顔に二箇所、ガーゼが貼られている。あれだけの事故だ。ガラス片で切れたり、擦り傷があってもおかしくない。

「やっと、目を覚ましたんですね。全く、心配かけさせるんですから」

素直に嬉しいと言えばいいのに。僕は素直じゃないなぁ…。

『うん…ごめんなさい…』

そんな素直に謝れるAが羨ましいですよ。笑顔があったその顔がふと曇る。

『あ……ミノは？

ミノはどこ？！』