無音の歌 (ページ14)

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- you side

帰り道。どうやらミノ君とはご近所さんだったらしく、キュヒョン君とチャンミン君と別れてから一緒に帰路につく。

その間も手話でずっと話していた。
どれだけ話しても飽きることは無く、ミノ君の笑顔も見れたから僕は満足していた。

【明日も活動日だから来てね】

【ん、了解～】

帰っている間にも屈託のないミノ君の笑顔を見ることが出来て本当に嬉しかった。

チャンミン君はミノ君に我慢させていたかもしれない、って言ってたけれど…何かあったのかな？

そう考えているうちに分かれ道に着いてしまった。

【じゃあ、また明日ね】

と話すミノ君。

【ミノ君も気をつけてね】

そう返すとハッとした顔をして近づいてくるミノ君。どうしたんだろうか、何か忘れ物をしたのか。

僕の目の前に立つと手を動かし始めた。

【呼び捨てでいいよ】

わざわざそれを言いに来たのか。カトクがあったでしょ。
でもそれを伝えることはしなかった。ミノく…ミノ自身から聞けた方がいい。

【分かった、ミノ。僕のことも呼び捨てでいいよ

改めてよろしくね】

そう伝えて彼を見ながら笑えば彼の顔が近づいてくる。えっ、と思った瞬間に頬に触れる温かいモノ。

それがミノの唇だって分かるのは夕日の中でもわかるような彼の赤い顔を見てから。

赤くなった顔を隠すように手を顔に当てるミノ。

【じゃ、じゃあまたね】

そういって去っていくその後ろ姿を見ながら、僕は頬が熱くなる感覚に陥っていた。