青城のマネは彼女が欲しい3

バレーボール ページ50

2021年、8月。

東京2020オリンピック
バレーボール競技、男子第12日。

アナウンスの声が、体育館に響く。




「絶好調の日本、男子バレー。今日の相手は、勢いに乗るアルゼンチン！」




あたしは周りのチームメイトを見渡して、笑う。




『Vamos a divertirnos.(楽しもうぜ。)』




「名将、ホセ・ブランコを代表監督に迎え、現在世界ランク4位に浮上。日本は現在、このアルゼンチンに2連敗を喫しています。」




及「さあさあ。世界一ゼイタクな内輪揉めですよ。」




「話題なのはやはり、アルゼンチン代表のセッター、オイカワ。高校卒業後、ブランコ監督を師事して、単身アルゼンチンに渡り、後に帰化。日本に居た学生時代は、ほぼ無名の選手で、全国大会出場経験もありません。」




『やかましいわ！』

「Hey hey.(こらこら。)」




日本語で思わず言ったけど、怒っていることは
伝わったらしく、チームメイトに宥められる。




「そして、さらに今回は、監督補佐としてもう1人日本人がアルゼンチンの味方です！」




アナウンスに、頬が緩む。




『Si lo golpeas ha staff que se rompe.(叩くなら折れるまで。)』

及「Aちゃん、ソレ好きだねぇ。」

『いいでしょうー？』




「オイカワA、旧姓A。なんと！セッター、オイカワの新妻です！！」




一時の沈黙。




「「「「「はあぁぁぁぁ！？！？！？」」」」」

及『「あはははは！！！」』




驚きの声が聞こえたのは、ほとんど相手チーム。

ところどころ客席から聞こえたのは、
多分チケットが当たった知り合いだ。





「対して日本の注目は、ブラジルでのビーチバレーを経て、今回オリンピック初収集！高校時代は影山と有名な空中線コンビでした、『最強の囮』日向翔陽！！」

「牛島と日向、全く違うタイプのOPなんでね。相手からすればどっちが出てきても嫌でしょうね。そしてどちらも使いこなせるセッターも1人じゃないですからね。今の日本非常に層が厚いです。」




『さあ、今日も、バレーボールは面白いと証明しよう。』






“バレーボール(排球)”。
コート中央のネットを挟んで、
2チームでボールを打ち合う。



ボールを落としてはいけない。
持ってもいけない。





3度のボレーで攻撃へと、“つなぐ”




球技である。

＊＊＊

長いことご愛読ありがとうございました！

また別の書きたいので
その時はよろしくお願いします。

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