気まずさ 佐久早side. ページ42
『俺も行こうかな、アルゼンチン。』
「「……は？」」
驚いた。
なんで急にアルゼンチン？って思って、
ああ、及川が行ったんだっけと思い出す。
……Aは及川のなんなの？？？
月「は！？アルゼンチンって、なんで急に！」
影「海外ですか！？アルゼンチンてどこですか！？」
『わあぁ、落ち着け！ふと思っただけだから！行くとか言ってねぇし！』
そう慌てるAを見て、
ほ、と息をつく。
あと影山はアルゼンチンの場所くらい
知っておくべきだと思う。
隣で古森が一瞬、息を止めた。
古「…だから、」
佐「？ 古森、何か言った？」
俺が首を傾げて見せると、
古森はびくっと俺を見る。
それから、両手を前に持ってきて
あわあわとふった。
古「えっ！？ううん、何も。」
佐「そう？ならいいけど。」
古森は俺から目を逸らして、
なぜか悲しそうに笑んだ。
最近よくしているけれど、
俺は古森のこの顔が嫌いだ。
佐「……古森。」
古「？ 何？」
佐「その顔、はやく治しなね。俺、お前のその顔嫌いだから。」
古「突然の悪口。」
--お前それ、Aちゃんのこと好きやからとちゃうの。
宮からの返信。
勝つのは、どちらでもないんだ。
もう、入るスキマなんてないんだから。
古「だからお前には、Aちゃんの連絡先なんて教えたくなかったんだよ、佐久早。」
古森の呟きは、俺に届くことはなかった。
ただ、無意味なことだというのは分かった。
もし知ってしまっても、
きっと傷ついてしまうから。
『雲雀田さん！そろそろチームシャッフルしません？』
月「チョット！話そらすのやめてよ！ねぇA！」
佐「……いつもよりうるさい合宿になりそう。帰りたい。」
俺はゲンナリと顔をしかめた。
これでいつも通り。
俺らはそんな風に、初日を過ごした。
同室の古森に気づかれないうちに
アラームを止める。
そっと起きて、洗面所で顔を洗ってから
部屋を出るとAがいた。
『あ、佐久早さん！おはようございます。』
佐「……おはよう。」
『お早いですね、いつもですか？』
佐「…うん、まぁ。」
2日目。
俺らはロードワークで体を温めたあと、
練習を始めた。
今日は6対6の紅白戦。
チームもランダム。
もちろん、選別はAだ。
「ナイスレシーブ！」
咲「佐久早さん！」
佐「っ！」
思ったより咲倉のトスが撃ちやすくて驚いた。
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ちょこみんと(プロフ) - 北狐さん» ありがとうございます！ (2021年1月11日 17時) (
レス) id: bf2a4d63a6 (このIDを非表示/違反報告)
北狐 - 凄く面白かったです！及川さん、、、良いですね！！今更ですがとっても面白い作品に出会えて良かったです。お疲れ様でした！ (2021年1月11日 16時) (レス) id: 5618ba980a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこみんと | 作成日時：2020年6月6日 7時
