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番外編3 滑津side. ページ5

今思い出しても、
恥ずかしくて死ねる。

なんて言えば、
Aちゃんは慌てるだろうから
口には出さない。

アレ以来、二口の顔がろくに見れない。

なんなのなんなの!?

いっつもチャラチャラして、
女の子と楽しそうに話してるくせに!!

私のこと、女として見てないくせに!!




滑「もぉムカつくぅ……!」

二「……誰が。」

滑「!!!」




振り向くと、二口。

一度合ってしまった目をそらして、
私は彼を素通りしようとする。

反射で走り出す。

さすが運動部。

すぐおいかけてきた。




二「っ、おい待てよ滑津!」

滑「やだ!しばらく話しかけないでって言ったじゃん!」

二「“しばらく”っていつまでだよ!?」

滑「知らない!なんで追いかけてくんの!?」




私がそう叫ぶと、
二口は少し言葉に詰まったように躊躇い、
そして、言う。




二「お前とっ!話したいからだろうが!」




手首を掴まれて、振り返させられる。

目の前には、二口の整った顔。

その顔は、女の子たちに振りまいていた“それ”
とは全然違ってて。

どうして、そんな真剣な顔をするの?

いつもみたいに笑ってよ。

力をこめて振り払えば、すぐ抜けるほど
優しい手つきで私の手を握る。

これを振り払えないから、
私はやっぱり駄目なのかもしれない。

そっと彼の顔を覗くと、
熱でもあるのかと思うほど紅で染まっていた。




滑「……顔、真っ赤だよ?」

二「うるせぇな……。」




そうやって顔を手で隠すのが可愛くて、
思わず笑う。




滑「かわい。」

二「お前が女じゃなかったら殴ってた。」




睨まれて、ごめんと手を合わせる。

そこで、ふと気づいた。

……あ。

私は、ほんの数分前の自分の言葉を恥じた。

私のこと、女として見てないくせに。って。

全然、そんなことなかったじゃん。

今思えば、サッカー部のマネに勧誘された時も。

男目当てだって、仕事してないって、
部活やめろよって言われたときも。

ずっと庇ってくれてたじゃん。

ずっと守ってくれてたじゃん。

気にしなくていいって。

いないと困るからやめんなって。




滑「……二口。」

二「ん?」

滑「ごめんね。…あと、ありがとう。」

二「……おう。」




笑ってみせる。

きっとこれが、私らのカタチなんだよね。



***

つらい。

えと、この先のネタがないので、
ときどき更新ない日があると思います。

てか、ネタがあっても書く時間がない……。

スタ爆どん。→←番外編2 二口side.



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ちょこみんと(プロフ) - 北狐さん» ありがとうございます! (2021年1月11日 17時) (レス) id: bf2a4d63a6 (このIDを非表示/違反報告)
北狐 - 凄く面白かったです!及川さん、、、良いですね!!今更ですがとっても面白い作品に出会えて良かったです。お疲れ様でした! (2021年1月11日 16時) (レス) id: 5618ba980a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこみんと | 作成日時:2020年6月6日 7時

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